独身者が介護を担う「シングル介護」が増えている
超高齢社会の日本、少しでも高齢化と人口減少に歯止めをかけるためには出生率アップは必須。けれども期待とは裏腹に生涯未婚率は年々上昇しており、介護の現場でも独身者が介護の担い手となる「シングル介護」が急増しています。
なぜシングル介護を行う人が増えたのか?
親の介護の担い手は、既婚未婚を問わずに考えるべきでしょう。ですが、例えばパラサイトシングルとして親元でずっと生活を送ってきた人は、親の介護が必要になったからといって自立する力は十分ではありません。そのため同居は継続され、ほかに兄弟がいたとしても自然と介護がゆだねられる現状があります。
もちろん、シングル介護を行う人が全員パラサイトシングルというわけではありません。介護を担ったすえに婚期を逃し、結果的にシングル介護を続ける人も多くいるのです。
そんなシングル介護に直面する人たちが抱えやすい問題とはどのようなものでしょうか?
シングル介護が直面する問題1:結婚とキャリアを諦める
親の介護はだいたい40代から。ですが晩婚化が進む今、早い方では30代から親の介護が始まります。しかしこの時期はまだまだ結婚適齢期。30代になり仕事に自信を持ち、キャリアを積みながらも最良の結婚相手を求める希望に満ちあふれた時期です。そんなときに親の介護が舞い込むのです。介護をするために仕事量をセーブし、収入は親の年金頼りとなる可能性もあります。そして介護が終わるころには、結婚もキャリアも諦めざるを得ない状況にあるのです。
シングル介護が直面する問題2:不安定な心と孤立
シングル介護が抱える問題のもうひとつは、心が不安定になってしまうこと。介護方針の決定や日々のスケジュール調整を1人で行わなければならないというプレッシャーは相当なものでしょう。また、疲れたときの相談相手や逃げ場が確保されにくく、社会的にも精神的にも孤立傾向にあります。この状態が続けばうつや燃え尽き症候群を引き起こす可能性もあるのです。
大切なのはひとりで抱え込まないこと
「独身なら何かと動きやすいだろう」と、介護を独身者の兄弟に任せきりにしてしまう部分もあるでしょう。
ですが独身者にもその人の生活があります。兄弟で介護の視点を共有することは心の支えにもなるとても大切なこと。まだまだ両親が元気なうちから「もし自分が介護することになったら」と、いくつかの人生設計のパターンを考えておくと良いでしょう。
また、ネット上でも多くの人がSNSを通じてシングル介護生活を発信しています。それを目にするだけでも孤独感が解消できたり、シングル介護を楽しむヒントが見つかるかもしれませんね。
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この記事の寄稿者
チヴェッタ
介護のほんねニュースのライター。話題の介護関連キーワードの中から気になるトピックについて解説します。