もしサマータイムが導入されたら…
「日照時間の長い夏場は仕事を早く始めて、太陽の出ている時間を有効に使おう!」というのがサマータイムの考え方。高緯度で冬の日照時間が短い国ほどそのメリットは大きく、積極的に導入されています。一方、年間の日照時間にほとんど差がない日本では、なかなか根づいていません。
そんな日本でも、今年の夏は「日本版サマータイム」の実施が発表されました。とはいっても、対象となるのは国家公務員とその出先機関のみ。労働時間の短縮や、オフタイムの充実に期待しているようです。今後はこれに倣う民間企業も増えてきそうですが、まだ事例が少ないだけに生活がどう変わるのか想像がつきにくいですよね。
もしサマータイムが導入されたら、介護中の人にはどんな影響があるのか少し予想してみましょう。
介護と仕事の両立が難しくなるかも?
日中は介護サービス利用して、介護と仕事の両立をされる方は増えてきています。デイサービスの送迎スタッフや訪問介護のヘルパーさんなど、誰かにバトンタッチしてから出勤できたら安心ですよね。でも、サマータイムが導入されたらそうはいかなくなるかもしれません。
勤務地と家が離れているなど、場合によっては5時・6時に家を出ないと始業に間に合わない、でもまだサービスを頼める時間じゃない。特に認知症がある方の場合は、家に長時間1人にしておくのは心配です。早朝にお願いできるヘルパーさんもいますが、昼間よりは少し割高で頼みにくい…。こうなれば、最悪「介護離職」パターンもありえるかもしれません。
高齢者の生活リズムが崩れると…
子育て家庭では、生活リズムが変わることでの子どもの健康への影響が心配されていますが、これは介護中の家庭でも同じです。
普段は規則正しい生活を心がけている高齢者。いつもより早く起こされたことに戸惑い、昼間眠くなってついウトウト。そして夜はなかなか寝付けない…ということもあるかもしれません。
若い人よりも環境の変化に敏感なだけに、心身に悪影響がないか少し心配ですね。
「働く人たちを支える側」として働く人たちにも影響が!?
サマータイムがもし導入されたら、介護と同じく保育の現場も影響を受けることになるでしょう。実際、「サマータイム導入で開園時間を早めることになるかもしれない」と頭を悩ませている千葉市のとある保育園園長(「2015.6.22産経新聞」より)。人手を増やすか、今いる保育士にさらなる長時間労働をお願いすることになるか、対応に追われることになりそうです。
これを介護の世界に置きかえて考えてみると…。どうやら、介護職で働く方にもサマータイムの影響は少なからず出てくるかもしれません。
とはいえまだまだ広まるかどうかはわからないサマータイム。今後の動向は、介護サービスを利用する側も提供する側も気にかけていったほうがよさそうですね。
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この記事の寄稿者
ポッポ
介護のほんねニュースのライター。話題の介護関連キーワードの中から気になるトピックについて解説します。