日本初のビーチバリアフリー、大洗町海水浴場
茨城県大洗町の大洗海水浴場では、大洗サーフライフセービングクラブ(SLSC)が中心となりビーチバリアフリーに取り組んでいます。
1997年から始まったこのビーチバリアフリーの活動は「誰もが一緒に楽しめるビーチ」がコンセプト。障害者専用の駐車場・更衣室・トイレなどの施設のほかに、水陸両用車いすの貸し出しなども行っています。この水陸両用車いすのランディーズは、乗ったまま海に入ることもできる優れもの。これによって例年150名を超える障害者の方が海水浴を楽しんでいます。
出典:http://www.town.oarai.lg.jp/
ビーチバリアフリーはどのようにして誕生した?
ビーチバリアフリーを考えるようになったきっかけは、大洗SLSC代表が海岸近くの駐車場で障害を持つ親子に出会ったこと。海を目の前にして、入れない人がいることを知りショックだったそうです。そこで大洗町とSLSCが一体となり、手作りの駐車スペースなど、試行錯誤でビーチバリアフリーへの取り組みがスタートしました。駐車場やスロープなどハード面の整備ももちろん、地元ライフセーバーの協力も欠かせません。約30人の地元ライフセーバーが駐車場からビーチまでの誘導、監視などを行っているそうです。
車いすの方に好評なのが水陸両用車いすのランディーズ。普通の車いすだと砂に車輪が埋もれてしまい、砂浜はまさに「バリア」になってしまいます。このランディーズのタイヤはゴム製で空気でふくらませたものなので、砂に埋まることなく移動できるんですね。現在19台あるランディーズの貸し出しは無料。利用した方によると泳いだ気分が味わえて良かったそうですよ。
出典:http://www.arakawaoki.co.jp/
バリアフリーマリンレジャーのススメ!沖縄・美らSUNビーチでは
沖縄県豊見城市の美らSUNビーチでは、障害者の方も積極的にマリンレジャーを楽しむことができます。おなじみのバナナボートはもちろん、シュノーケリングやソフトダイビングにも挑戦できるそうですよ。目の前に色あざやかな魚たちが泳ぐ沖縄の美しい海。心に残る思い出になりそうですよね。もちろん専用の駐車場からビーチまではスロープがあり、車いす専用のトイレやシャワーも完備。ビーチへの移動を介助してくれるスタッフも常駐しています。
まだまだ数が限られているこうした砂浜
こうした「ビーチバリアフリー」「ユニバーサルビーチ」に該当する海水浴場は、残念ながらまだほとんどありません。障害者用トイレがあるビーチは多いのですが、それだけでは車いすの方が海水浴を楽しむことはできませんよね。
上で紹介した場所以外にもこうした取り組みを行っているのが、兵庫県・自立支援センター。こちらの支援センターでは、兵庫県内のランディーズが設置されているビーチを探すことができます。ビーチバリアフリーはまだまだこれからですが、車いすの方に優しいビーチは、すべての人にとって優しいビーチになりそうですね。
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この記事の寄稿者
チヴェッタ
介護のほんねニュースのライター。話題の介護関連キーワードの中から気になるトピックについて解説します。