「片付け問題」で家族が気づく認知症
「最近、少し様子がおかしい…」
家族だからこそ気づくちょっとした変化。実はそれが認知症のサインだったということは少なくありません。そして、いざ自宅で介護を始めたご家族の多くが、とある共通の悩みを抱えることになるようです。
それは「片付けてくれない」または「片付けさせてくれない」という問題。認知症特有の症状や行動がいくつか重なると、よりこの傾向は目立つように。でも、多くの方が抱えるこの悩みも、ポイントを覚えておけば少し対応が楽になるかもしれません。
片付けをするためにはさまざまな認知機能が必要
認知症になると、基本的に片付けは苦手になります。もちろん個人差はあります。
記憶力が低下しているため、どこに何を片付けるべきなのか、あのときどこに片付けたのかがわかりません。せっかく掃除をしたとしても、肝心のゴミ出しの日を忘れてしまうことだってあります。また、無気力症状が出ていると、身の回りの整理整頓に無頓着になりがち。さらに計画的にものごとを行う「実行機能」や体を動かす「行動機能」が弱まっていればなおさらです。「収集癖」が見られる方なら、さらに部屋は物であふれかえってしまうでしょう。
認知症の方は片付けをしないのではなく、ただ苦手なだけ。ということは、「片付けてくれない!」とイライラするより「どうすればうまく片付けられるか」と考えるほうが問題解決に近づきそうですね。
ちょっとの工夫でなんとかなるかも? 「片付けが苦手」なだけの方
ときどきゴミをまとめたり、洋服を整頓している様子が見える方。まだまだ掃除をする意欲はあるけど「うまく片付けられない」と、本人も悩んでいるかもしれません。
そんなときは、ぜひご家族や身近な方がサポートを。衣装ケースや食器棚などに「下着」「コップ」などのマークをつけ、どこに何を片付ければよいのかわかりやすくしてあげましょう。ゴミ出し日を忘れてしまう方には、カレンダーに印をつけておく、冷蔵庫にメモを貼っておくのもよいですね。別居している場合は、安否確認をかねて当日にモーニングコールをするのもおすすめです。
ちょっと難しい「片付けたがらない」「片付けさせてくれない」方
例えば、ティッシュなどを溜め込んでしまう収集癖。家族にとってはゴミのように見えても、本人にとってはいざというときのお守り代わりです。無断で捨ててしまうと、なおさら不安感や疑いの心を強めて事態が悪化しかねません。「少し分けてくれない?」という言い方でちょっとずつ片付けていくほうが角が立たなそうです。
また、本人がいない間に勝手に物の配置を変えてしまうと、「あれがなくなった」「盗られた」という妄想につながることも。例え本人の協力が得られない場合でも、なるべく目の前で片付けることを心がけてください。
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この記事の寄稿者
ポッポ
介護のほんねニュースのライター。話題の介護関連キーワードの中から気になるトピックについて解説します。