服に火がついて燃え上がる「着衣着火」で多くの高齢者が亡くなっている
総務省消防庁によると2013年の火災による死亡者数は全国で1600人以上。そのうち7%程度の方は「着衣着火」が直接の原因で亡くなっています。全体の死者数の場合と同様、その半数以上を占めているのは高齢者。
ここでは、重度のやけどや死亡に至るケースが多い着衣着火の恐ろしさについて見ていきましょう。
着衣着火とは・・・調理中のガスコンロの火や仏壇のろうそくの火などが、「今着ている服」についてすぐに燃え上がる現象。(『埼玉西部消防組合』より)
着衣着火は料理中に起きやすい
着衣着火の火元(原因)になったもので目立つのはガスコンロ。具体的には、
などの理由で燃え上がった炎が、衣服に燃え移ってしまうといったケースが報告されています。また、中には「よそ見をしていたらいつの間にか袖に火がついていた」というケースも。
こういった事例を見ると、日常的に台所に立つ主婦など年齢問わず着衣着火と無縁ではない気がしますよね。ですが、特に高齢者がこの事故を起こしやすいのには、やはり理由があるのです。
高齢者が着衣着火に要注意な理由
いくらお元気に見えても、高齢者は以前より判断能力や運動機能が衰えているということを忘れてはいけません。
特に白内障の方の場合、青色系のものが見えにくくなる特有の症状が表れます。また、「危ない!」と思った時にとっさに回避する運動機能。いざ、着衣着火を起こした時の的確な対処法も瞬時に判断するのは難しくなってきます。
そのため、高齢者に台所に立ってもらう場合はいくつかの注意が必要です。
着衣着火を起こさないために、もし起こしてしまったら
これらの点は、高齢者がいるご家庭でなくても日頃から心がけておきたいですね。
「たまには料理で腕をふるいたい」そんな高齢者の方には、防炎加工が施されているアームカバーやエプロンを着用してもらえばもっと安心です。もちろん調理中は目を離さずに。
また、もし着衣着火を起こした場合は水道水や花瓶の水など、とにかく水をかけてください。もし手近に水がない場合は、転がって地面に体を押し付け消火しましょう。こうすることで顔まで火が燃え移るのを防ぎ、周囲へも延焼しにくくなります。
出典:http://www.city.yokohama.lg.jp/
これからの蒸し暑い季節、すそが広がったラフな服装で着衣着火の危険性も高まります。いくら暑くてもヒヤッとまではしないように、火災に対する気持ちはいつも引締めておかなければいけませんね。
-
関東 [12229]
-
北海道・東北 [6915]
-
東海 [4890]
-
信越・北陸 [3312]
-
関西 [6679]
-
中国 [3581]
-
四国 [2057]
-
九州・沖縄 [7729]
この記事の寄稿者
ポッポ
介護のほんねニュースのライター。話題の介護関連キーワードの中から気になるトピックについて解説します。