先日公開した介護現場では介護職と看護・医療職がうまく連携できていないことがあるのではということを指摘した記事「介護 vs 看護 うまく連携できる?できない?」についてご意見を募集したところ、現場で働いている人やサービスを利用している人などからたくさんの興味深いコメントをいただきました。コメントをいただいたみなさま、ありがとうございました! はっと気づかされる視点での指摘や、苦労が垣間見えるエピソードなど、どれもじっくり拝見しました。
そのほか、記事のコメント欄やTwitterにもいくつか寄せていただきました。まだ見ていない方はぜひ見ていただきたいです。
「うちはうまくいっているよ」というコメントもいくつかありましたが、やはり多かったのは「うまくいっていない」という主旨のコメントです。
正直に言いましょう。おそらくこんな感じで”資格”に優劣をつけてしまっているのではないでしょうか。正看護師のほうが准看護師より偉い
看護師のほうが介護福祉士より偉い
もしくは、
看護師も介護福祉士も同じ国家資格なのだからどちらも偉い
など・・・。
資格を取得するまでの過程や、できる業務の領域、国家資格かどうか、などをもとに心のどこかで優劣をつけていると、「看護師なのに」「准看護師なのに」「介護福祉士なのに」というような気持ちが表に出て、ギスギスしてしまうようです。
実際に言われて傷ついたというコメントもちらほら・・・。でも、資格ごとに違いがあるのは事実ですし、就職する際には持っている資格で判断されるわけですから、資格で人を見てしまうのは無理もないのかもしれません。ただ、本来、この資格ごとの違いは役割の違いであって、優劣ではないはずですが・・・。
超高齢社会の今、おそらく、次のような変化がそれぞれの現場で起きていると思います。
介護の現場では、医療の必要な高齢の要介護者が増えている
医療の現場では、介護の必要な高齢の患者が増えている
こうした時代の流れを思うと、介護は介護職が・医療は看護職が、という現在の縦割りのままでは、なかなかうまくいかないのではないかと考えられます。介護職にも医療の知識や経験が必要になってきていますし、看護職にも介護に対する理解や前向きな姿勢が求められてきています。だからこそ、看護職から介護職を見れば「もっと医療の知識を持ってほしい」と思うのでしょうし、介護職から看護職を見れば「もっと食事や排泄、入浴などの介助をしてほしい」と感じるのかもしれません。
今のところ、現在の介護福祉士、保育士、准看護師、といった資格が統合の候補となっているようですが、これは単純に「資格を統合しないと人手が足りない」ということだけではなく、移り変わる時代のニーズに合った資格が必要になってきているということの表れではないでしょうか。
とはいえ、介護と看護でうまくいかないことがあるように専門家同士で協力して働くにも難しい部分はありますし、一人一人からしてみれば「一人でたくさんの知識・経験を身につけるのは非現実的」という声も聞こえてきそうです。
時代は変化するもの。そんな時代の変化にどう対応していくか。介護・医療・福祉業界はとても大きな困難にぶち当たっているのかもしれません。
この介護のほんねニュースを通じて現場の声を社会に届けていきたいと思っています。この記事のコメント欄やFacebookページ、Twitterなどへぜひお寄せください。
やっぱり多かった、介護と看護のミゾがわかるコメント
こちらが「介護のほんねFacebookページ」の当該スレッドです。コメント欄にもいつにも増してたくさんの意見が出てきています。そのほか、記事のコメント欄やTwitterにもいくつか寄せていただきました。まだ見ていない方はぜひ見ていただきたいです。
「うちはうまくいっているよ」というコメントもいくつかありましたが、やはり多かったのは「うまくいっていない」という主旨のコメントです。
うまくいかない理由1:資格に優劣をつけている!?
さて、そんな数々のコメントを見ていて、一つ気づいたことがありました。それは、互いに”資格”で人を判断してしまうと確執が生まれるのではないかということです。正直に言いましょう。おそらくこんな感じで”資格”に優劣をつけてしまっているのではないでしょうか。
資格を取得するまでの過程や、できる業務の領域、国家資格かどうか、などをもとに心のどこかで優劣をつけていると、「看護師なのに」「准看護師なのに」「介護福祉士なのに」というような気持ちが表に出て、ギスギスしてしまうようです。
実際に言われて傷ついたというコメントもちらほら・・・。でも、資格ごとに違いがあるのは事実ですし、就職する際には持っている資格で判断されるわけですから、資格で人を見てしまうのは無理もないのかもしれません。ただ、本来、この資格ごとの違いは役割の違いであって、優劣ではないはずですが・・・。
うまくいかない理由2:そもそも求められている仕事に資格制度が追いついていない!?
一方で、資格制度自体が時代のニーズにマッチしなくなってきているのではと感じる部分もあります。超高齢社会の今、おそらく、次のような変化がそれぞれの現場で起きていると思います。
こうした時代の流れを思うと、介護は介護職が・医療は看護職が、という現在の縦割りのままでは、なかなかうまくいかないのではないかと考えられます。介護職にも医療の知識や経験が必要になってきていますし、看護職にも介護に対する理解や前向きな姿勢が求められてきています。だからこそ、看護職から介護職を見れば「もっと医療の知識を持ってほしい」と思うのでしょうし、介護職から看護職を見れば「もっと食事や排泄、入浴などの介助をしてほしい」と感じるのかもしれません。
そんな中、資格統合はどう映る?
もう一つ、最近介護のほんねニュースでたくさんのコメントをいただいた議論があります。それは、「福祉系の資格が統合されるのではないか」ということ。今のところ、現在の介護福祉士、保育士、准看護師、といった資格が統合の候補となっているようですが、これは単純に「資格を統合しないと人手が足りない」ということだけではなく、移り変わる時代のニーズに合った資格が必要になってきているということの表れではないでしょうか。
多様な専門性を持った人たちと協力して働くか、一人一人が多様な専門性を持つか
そんな多様な専門性が求められるようになってきている介護・医療・福祉の現場。さまざまな分野の専門家たちがうまく協働できるようにしていくのか、一人一人がさまざまな分野の専門性を高めるのか、はたまた両方を実現するのか、どこかの方向性に進化していくことが求められていると言えます。とはいえ、介護と看護でうまくいかないことがあるように専門家同士で協力して働くにも難しい部分はありますし、一人一人からしてみれば「一人でたくさんの知識・経験を身につけるのは非現実的」という声も聞こえてきそうです。
時代は変化するもの。そんな時代の変化にどう対応していくか。介護・医療・福祉業界はとても大きな困難にぶち当たっているのかもしれません。
ご意見募集中!
引き続き、介護のほんねニュースではみなさまからのご意見を募集しています!この介護のほんねニュースを通じて現場の声を社会に届けていきたいと思っています。この記事のコメント欄やFacebookページ、Twitterなどへぜひお寄せください。
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この記事の寄稿者
まーしー
介護のほんねニュースライター。とある町の公式キャラとの情報もあるが、定かではない。