成功報酬型制度とは
介護の仕事とは、ちょっと難しいものです。利用者の状態が改善し、元気になってくれれば喜ばしい限りです。けれども、それとお金の話を切り離して考えてみるとどうでしょう。「結果を出す=収入に結び付く」とはいかないのが実際のところ。
このサービス提供者側のジレンマを解消するべく、2018年から『成功報酬型』制度が導入される方針です。
出典:介護サービスに質の評価 「成功報酬」導入の自治体も
出典:介護に押し寄せる成果報酬の波 ~2018年度介護報酬改定でサービスの質の評価を導入~
実は国にはもう1つの狙いがあった!
介護度が上がれば上がるだけ、介護保険のサービス利用限度額は上がります。そして利用者はサービスをより多く受け、その分事業所にはより多くの利用料が入ってきますよね。言い換えれば、その分国の負担も増えることに。もっとも現在のシステムでは、そうなるのも無理はありません。国としては新制度『成功報酬型』でより結果に結びつくケアができるようになり、あわよくば保険料削減も、ということでしょう。
成功報酬制度をいち早く導入した品川区では?
写真出典:Google Maps東京都品川区では、介護度が1段階下がるごとに月2万円を施設に対して助成する形をとりました。その結果、協力施設全体で 6% の利用者に要介護度の改善が見られたのです。これには改善が難しいと言われている要介護度4以上の方も含まれています。
この制度によってこれだけ結果が出る、という貴重なモデルケースでもありました。
出典:介護に押し寄せる成果報酬の波 ~2018年度介護報酬改定でサービスの質の評価を導入~
利用者の意欲向上は?介護従事者のモチベーションアップは?
今後は、介護度が下がって今まで通りのサービスが受けられないことに不満を持つ利用者も出てくるかもしれません。そうなった時に家族やサービス提供者のフォローは必須です。また、施設にとってはどうでしょう。品川区では、介護段階が1つ下がれば施設の減収は22000円です。対して助成金は2万円。つまり、「報酬」のはずが結果としてマイナスになってしまうのです。
そのため、介護度ではなく「行動指数」を改善の目安にしようという声も出ています。これなら「えん下、排泄、褥瘡(じょくそう)等、個別の状態の改善で報酬が加算されたとしても、認定される要介護度が変わらない(collabo’s316より)」ですよね。つまり施設の減収にはつながらず、助成金が確実に手元に残ることとなります。
また、施設で実際に働いている人個人では直接収入に結び付きにくいので、こちらは各事業所の対応に期待です。
老人ホーム・介護施設を探す
-
関東 [12229]
-
北海道・東北 [6920]
-
東海 [4898]
-
信越・北陸 [3311]
-
関西 [6702]
-
中国 [3568]
-
四国 [2056]
-
九州・沖縄 [7729]
この記事の寄稿者
ポッポ
介護のほんねニュースのライター。話題の介護関連キーワードの中から気になるトピックについて解説します。