僻地医療とは
ケガをしたら整形外科がある病院へ、お腹の調子が悪くなれば胃腸科クリニックへ、と症状に合わせて病院を選ぶのは都市部に住む人にとってはあたりまえ。でも、離島・山間部などでは小さな診療所が1つあるだけということが珍しくありません。こういった交通の便が悪い場所は僻地、そこにある診療所のことは僻地診療所と呼ばれます。ここは小児科から内科、整形外科など地域の人全てのいろんな症状をみてくれる小さな総合病院。その限られた設備で対応できない場合は大きな病院を紹介し、高度な在宅医療が必要な人には専門医に巡回をお願いします。
そして、こうした僻地診療所を中心に広がる医療ネットワークを全てまとめて「僻地医療」と呼んでいます。
出典:http://www.hekichi.net/
僻地医療の現状
平成16年時点で各都道府県平均20か所の僻地が存在し、ある程度の診療所が整備されています。ですが、それでもまだ住民の方たちが本当に安心して暮らせる環境ではありません。本格的な治療のためには結局その土地を離れることになりますし、医師不足で診察の質が落ちるのを心配する人もいます。もちろん、救急の場合もすぐさま高度な治療を受けられないのです。大病院のように本格的な設備はともかく、せめて人手さえ増えれば、とも思われますが、そちらも簡単ではありません。休みが取りにくく、孤独と責任感にさいなまれる僻地での勤務は医師にとっても過酷。好んで僻地医療に関わる医療関係者がそう多くないのも仕方のないことなのです。
出典:http://www.mhlw.go.jp/
国、都道府県の僻地医療対策は?
こんな僻地医療の現状を受けて、国は「医師等の確保」「へき地診療所医師のスキルアップ」「代診医制度の強化等」「補助金の充実等」などの支援を行っています。もちろん各都道府県でも独自に僻地医療保険計画を作成し、この問題に取り組むところが増えてきました。例えばドクターバンクを設立した長崎県では、県内の医師みんなで僻地医療を支える体制作りを進めています。また、僻地で働く医師との情報共有が可能なネットワーク整備を目指す動きは全国規模で広がっています。
僻地医療に携わる魅力とは
そして今、研修医に僻地医療の魅力を伝える研修制度も行われるようになってきました。僻地では大病院のような最先端技術にふれるのは難しいかもしれません。ですが、なんでもこなせるジェネラリスト(総合診療医)としての成長は期待できます。もちろんその地域に密着した診療で患者の人生そのものに関わることができる、というのも魅力の1つですね。
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この記事の寄稿者
ポッポ
介護のほんねニュースのライター。話題の介護関連キーワードの中から気になるトピックについて解説します。