インタビュー

沖縄の介護施設で、これからの高齢者の価値観“選択の自由”を垣間見た。

業界大手の長谷川介護サービスさんは、沖縄県の今帰仁・うるま・八重瀬にて『イリーゼ』シリーズの有料老人ホームを展開中。どうやらすごいロケーションらしいので、今帰仁とうるまの施設に伺いホーム長にお話をお聞きしました!

イリーゼうるま・今帰仁 業界大手の長谷川介護サービスさんは、沖縄県の今帰仁・うるま・八重瀬にて『イリーゼ』シリーズの有料老人ホームを展開中。どうやらすごいロケーションらしいので、今帰仁とうるまの施設に伺いホーム長にお話をお聞きしました。 イリーゼ今帰仁

介護度が上がるにつれて、月額費用が下がるモデル

【岡】まずは施設の特徴をご紹介いただきたいです。

【兼島】ここの施設の特徴としては、料金面で、まず入居金は0円、また、うるまと八重瀬については介護度が上がるに応じて月額料金が低くなるように設定しています。

【岡】そうなんですね。その料金形態を導入した理由はなんですか?

【兼島】施設を見学しにくるお客様からも同様の質問をされることが多いのですが、介護度が上がっていくと介護保険の負担額や日用品の消耗品度、お薬の量などが増え、出費が増えていってしまいます。そうなった際に月額費用を軽減し、トータルとしての出費をある程度抑えさせて頂くことで、お客様の負担を軽減させていただくという施策になっております。

入居者の方々には最大限の“選択の自由”を。

ホーム長を務める佐藤さん、兼島さん ―ホーム長を務める佐藤さん、兼島さん

【岡】なるほど。ちなみに、個別対応サービスもなさってるようですが、極端な例で「今夜は飲みに行きたいんだけど!」みたいなのも、いけるんですか?

【佐藤】そうですね、今帰仁・うるまは飲酒・喫煙OKです。ドクターがOKしているのが前提とはなりますが、例えば18時以降に「今日どこどこでお祭りがあるんだけど連れてってくれる?」ということを言われたら、お連れすることもできます。

【岡】スナックとかもですか?

【佐藤】そうですね。行けます(笑)

【岡】おお、素晴らしいですね。

【佐藤】実際に行ってる方もいらっしゃいます。

【岡】なんて言うんだろ、選択の自由というか。入居者の方々への尊重が素晴らしいというか。

【佐藤】ありがとうございます。私たちの考える有料老人ホームの形って、こういうところなのかなと思っています。
それと、先日までイリーゼの八重瀬にいて、イリーゼのうるまに移った方がいらっしゃいます。この方、体は不自由もなくお一人で外出なさる方でして、移住なさった理由はパチンコ屋に行きたいという・・・

【岡】えー、すごい。

【佐藤】まさか私たちもこのパチンコ屋がメリットで入居したい方がいるなんて思ってもいなくて。逆にデメリットになるんじゃないかと思っていたんです。
最近すごく感じるのが、だんだんと老人ホーム自体の形が変わってきているということ。特に沖縄を選んで来られる方たちはお元気な方がまず多く、そういった方たちが沖縄で何をしたいかというと、当然、ゴルフだったり、やっぱりそういう方がいらっしゃるんですね。中には、日中はいないけど夜はやっぱり心配だから一応ここに借りておこうかなっていうことで、本当に借りて1・2ヶ月いらっしゃらない方とかもいます。

【岡】別荘的な使い方になるんですね。

【佐藤】そうですね。あとは沖縄に移住する方。実際に、去年の7月まで弊社の北海道の施設にいらした方で、1月から沖縄に移ってきた方がいました。また、行き来されるということも選択肢として今の高齢者の中で徐々に増えてきていると思います。

【兼島】そういう方はすでに何名かいらっしゃいます。八重瀬でも、12月に来て1月に帰る方もいるんですけど。私の知っている範囲でも2~3名いらっしゃいます。

【佐藤】私達は、この八重瀬、うるま、今帰仁の間で利用者の方が行き来してもらって構わないと思っています。例えば今帰仁の方だったら、「海が目の前にあっていいわよ」「じゃあ今帰仁行ってみようかしら」と。そのときに、たとえば一ヶ月間、今帰仁で住ませてくれないかという相談を受けます。もちろん構いませんので。

【岡】そうなんですね。それいいっすね。パチンコやりたかったら、うるまに来て。

【佐藤】そうです(笑)。パチンコ負けたら今帰仁の海を見て。

【岡】なんか、3箇所の人たちとお友だちにもなれますよね。

【佐藤】1ヶ月に一度会うことが楽しみになっているとか。

【岡】なるほど。いいですね。素晴らしい。 イリーゼ イリーゼ 【佐藤】入居者の方々の選択の最大化は一方でリスクが多いので、ギャンブルをしてはならないとか、お酒を飲んではならないとか、ルール化している施設も多いと思います。でも、私たちだってお酒飲み過ぎたら倒れると思うんですよ。そんな飲んじゃダメだろというぐらい飲むときもあると思うんですね。タバコだって体に悪いけど吸ってるし。じゃあ、なんで高齢者の方々は我慢しなきゃならないのか。おかしいと思うんですよね。なのでやっぱり限りなく家に近いような環境にすることがお客様の満足度なのかなと思っていますし、そういう施設でありたいと思ってます。

【岡】それに、ここで働く人だけじゃなく地域の人とか大学生とかも協力すれば、お出かけにちょっと人が足りないんだけどみたいなときも、頑張ればなんとかできちゃったりしますからね。それをやるか、入浴・排泄・更衣・食事に徹するか。自分だったら、まず出かけたいですからね。出かけたいというか、自由でいたいというか。

受け入れが難しいお客様が来た場合の方法→受け入れよう!の法則

長谷川介護サービス 【佐藤】これはもう私の上司から言われた受け売りなんですけど、現在の施設状況からは受け入れが難しいと思った方がいたら受け入れようと言っています。もう本当に物理的に無理な方は受け入れられないんですが、先日、外国人の方がご入居されまして。身長185cmぐらいで体格もよく、英語しか喋れない。で、パーキンソン病で介護度5。パーキンソン病なので、普段は普通なんですがオフ症状で震えが来るといきなり歩けなくなっちゃう。いきなり動けなくなっちゃう。いきなり倒れちゃうかもしれない。それを想像するとやはり介護職員は躊躇してしまう。私たちからしても、小柄なおばあちゃんを一人受け入れることの方が介護の負担って少ないんですよね。
ただ、そういう方を受け入れて介助を通じてみんな筋肉が付いていって徐々に対応できるようになると、どんどん受け入れられる幅が大きくなっていく。

【岡】気合のイリーゼですね。

【佐藤】みんな頑張っていますよ。スマートフォンを持って、翻訳ソフトを使いながらコミュニケーション取ったりして。
ちなみに、入居当初その方は車椅子で来たんですけど、今は歩いて一人で外出してます。これも最初はご家族の方がびっくりしたんですね。なんで一人で行かせるのって。ご家族の方々の気持ちは大変よく分かりますが、ご本人の気持ちは違うんですよね。色々やりたいと思っていらっしゃる。これを我々が家族と一緒になって転ぶからダメですと言ったら、ご本人の気持ちって...と、思うんです。我々はご本人のやりたいことを尊重しそれを手助けしたいと思いますし、本当の介護というのはこういったことなのかなって思いながらやっています。

【岡】社員さんがそういう気持ちでやってるっていうのは本当にすごいことだと思います。そういうことをなかなか、言えないしやれない人が多いので。もし自分だったらって考えるとやっぱり、自分の自由度を狭める施設よりも広げてくれる施設を絶対選ぶから。なんかそのスタイルというか、姿勢がいいですね。アグレッシブなスタイルが。


〈編集者の一言〉
めんそーれ!いかがでしたでしょうか?
沖縄のエメラルドグリーンな海に囲まれて自由に羽ばたきながら老後を過ごす。もう理想ですねー!何が理想って、利用者ご本人にとってもそうですが、働く従事者にとっても利用者さんの可能性を広げ続けられる仕事ができるって素晴らしいことだと思います。
選択肢の数や幅が人生の豊かさを決めると僕は思っているので、イリーゼさんにはそのままのアグレッシブな姿勢で福祉に取り組み続けて欲しいと思います!
ちばりよー!!
岡勇樹(NPO法人Ubdobe代表理事)

この記事の寄稿者

岡勇樹(NPO法人Ubdobe代表理事)

介護のほんねニュース初代編集長。1981年 東京生まれ。3歳〜11歳までアメリカ・カリフォルニア州で生活。27歳で高齢者介護と障がい者支援の仕事を始め、29歳で医療福祉・音楽・アートを融合させた「NPO法人Ubdobe」を設立。近年は厚生労働省 介護人材確保地域戦略会議の有識者やNHK出演など多岐に渡る活動を展開中。(http://ubdobe.jp)

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