介護をしている人の半数は有職者
2013年7月に発表された就業構造基本調査(総務省)によると、介護をしている人は556万人にのぼります。そして、そのうちの半数、290万人は働きながら何らかの介護を行っていて、このうち40代50代の人が170万人で、その4割は男性となっています。こうした働き盛りの男性が特に陥りやすい状態があります。
出典:http://www.nikkei.com/
「恩返し介護」に没頭する息子
自分の親が介護を必要とする状況になった時、若い頃に散々迷惑をかけてきたからと、親身に寄り添う介護者が男性に多いといいます。これがいわゆる「恩返し介護」。彼らの中には、結婚を望んでいても本人は懸命に恩返し介護を続けているため、それができないことがあります。その場合、パートナーがいない状況での仕事と介護の両立となり、介護をするにあたってかなりの負担であるといえ、無意識のうちにストレスを溜めこんでしまいます。結果、アルコール依存や抑うつ、高齢者虐待の加害者となるケースも考えられます。
出典:http://diamond.jp/
仕事を辞めなければならなかった介護者
2012年、厚生労働省は「仕事と介護の両立に関する労働者アンケート調査」を実施しました。介護を機に離職した理由は、男女ともに「仕事と介護の両立が難しい職場だったため」が最も多く、「自分の心身の健康状態が悪化したため」が次に多い項目でした。そして、男女ともに5割強が「離職せずに仕事を続けたかった」と回答しています。離職してからの状況は、「負担が増した」としている人が高い割合でいます。内訳は、精神面が64.9%、肉体面が56.6%、経済面が74.9%です。つまり、仕事を辞めても介護の負担を減らすことにはならないんですね。
出典:http://www.mhlw.go.jp/
子どもの役割は、介護のマネジメントをすること
介護は家族の役割というのがかつての風潮でした。ですが、今の時代、独身の子どもにそれを当てはめてしまうことは難しいでしょう。プロの手を借りることは、他人任せにするということではありませんし、恩返しできていないわけではありません。親に適切なサポートがされることを考え、制度やサービスを利用すれば良いのです。そのためには、職場などでに介護していることを隠さずに、情報や助けを求めやすい状況を作ることが大切です。
急がれる、働きながら介護しやすい社会づくり
高齢者世代の人口増加により、今後働きながら介護を担う人はどんどん増えることになるでしょう。現在介護を理由に離職する人は40~50代が多く、管理職世代が離職することによる企業のダメージも大きいものがあります。そのため、企業は仕事と介護を両立する職場環境を整える必要があります。そうすることで、介護者の行き詰まりを未然に防ぎ、介護者の社会的地位も保障することができるでしょう。
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この記事の寄稿者
チヴェッタ
介護のほんねニュースのライター。話題の介護関連キーワードの中から気になるトピックについて解説します。