住民の過半数を高齢者が占める「限界集落」とは
山間部や離島に住む若者はあいかわらず進学や就職先を求めて故郷を離れ、都市部の人口増加に拍車をかけているようです。そして村に残るのはほとんどが高齢者。子供たちの笑い声が消え、学校が消え、店が消え、その土地に代々伝わる伝統やお祭りもやがて消えていきます。そうして残された高齢者だけでは維持していくのが難しくなった村、それが過疎地です。そして、その中でも「限界集落」と呼ばれる場所は特に深刻な問題を抱えています。そもそも過疎地は高齢化率の高い地域が多いのですが、限界集落の住民は過半数が65歳以上の高齢者。中には住民全員が高齢者という集落すらあるのです。
今の日本に1万か所以上ある限界集落のいくつかは、数年後には地図上からその姿を消してしまうかも知れません。
出典:http://www.47news.jp/
限界集落消滅の影響は都市部にも及ぶ!?
限界集落に住む人たちは、すでに普通の生活をすることすら難しくなってきています。「近くに日用品を買う店がなく、バスも本数が少ない」「病院が遠い、救急車を呼んでも1時間かかる」こんな訴えも聞かれます。限界集落の住民のほとんどが高齢者ですから、特に医療や福祉面での心配は尽きません。こんな不安や不便を感じながらもここで暮らすことにこだわった彼らがいなくなれば、そこに残されるのは手つかずの自然。・・・ではなく、荒れた田畑と森林です。人手の足りなくなった限界集落では農業や林業などの産業が衰退し、その後始末をする人もいなくなります。放置された田畑は獣害を、森林は水害を引き起こし、いずれは都市部にまで影響を及ぼすかもしれません。
こうして考えると、限界集落が消えるということはただ1つの村が消える以上の意味を持っているといえそうです。
出典:http://www.pref.gifu.lg.jp/
これからの過疎地に必要なのは?
一時的な経済的援助やボランティアの派遣で住人の生活水準が多少上がったとしても、それだけでは村を存続していくことはできません。本当に必要なのは今の住人の生活を支えるだけの人ではなく、これからの村の産業を支える人材。存続が危ぶまれていた限界集落の中にも、都会からやってきた若者の力を借りてよみがえった新潟県中ノ俣集落のような場所はあります。とは言っても、高齢者だけで新たな仲間を呼び込むのは簡単なことではありません。今後は、その実態を把握している市町村が全国に向けて情報を発信する、などの取り組みが必要になってきそうです。
出典:http://zck.or.jp/
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この記事の寄稿者
ポッポ
介護のほんねニュースのライター。話題の介護関連キーワードの中から気になるトピックについて解説します。