認知症による行方不明者は年々増えている
約1万人。それが2013年に行方不明として届けられた認知症高齢者の数です。目を離したすきに認知症の家族がどこかに行ってしまった、そんな危うい経験をお持ちの方もいる事でしょう。認知症が原因で記憶力低下や見当識障害を起こしている人が外出した場合、自力で帰ってくるのは困難です。今どこにいるのか、そして自分が誰なのかすら思い出せないのですから。まずは、実際にあった認知症高齢者の行方不明事件を見てみましょう。
出典:https://www.kaigonohonne.com/news/
「人の目」が届きにくい環境がリスクを上げる
子供と夫に先立たれ、1人暮らしをしていた80代のMさん。すでにアルツハイマー型認知症と診断され、近所の人もMさんの言動の変化に気づいていました。そこで地域包括センターでは、朝晩の訪問介護、昼には配食サービス、と積極的にMさんのケアにあたることにしたのです。ですが、その1日3度の見守りの目をかいくぐってMさんは行方不明に。徘徊の末、川に転落した彼女は遺体で見つかりました。認知症高齢者が行方不明になって1年以内は、所在が無事確認されるよりこうして死亡確認される事のほうが多いそうです。このケースで、1人暮らしの環境が失踪のリスクを上げたのは言うまでもありません。
出典:http://www.nhk.or.jp/
地域の目、家族の目が認知症高齢者を守る
ここ最近の介護サービスは、高齢者の自立を促すための「在宅型」がよりいっそう進んできました。独居高齢者の場合は、この地域ボランティアを含む在宅型介護システムが最も大きな守りの目となります。ですが、子世帯などと同居している場合はやっぱりそれは家族の役目。認知症高齢者の失踪は、どこの家庭でも起こり得るものだと認識しておきましょう。そしてその対策(徘徊防止など)を行うために、認知症そのものに対する知識と理解を深めておく必要があります。
出典:http://www3.nhk.or.jp/
都道府県では行方不明情報を提供中
現在多くの都道府県では、「帰りたくても帰れない」認知症高齢者の保護情報を提供しています。写真や保護時の経緯、服装、持ち物、方言など、有力な手がかりを掲載されていますから、いざと言う時の早期発見につながるかもしれません。中には、保護されてからもう10年以上家族の迎えを待っている認知症高齢者もいます。時間がたてばたつほど記憶力が低下していく認知症、自分で帰ることはもはや不可能に近いでしょう。大切なご家族が行方不明にならないように、そしてもし行方不明になったら。この2点を日頃からしっかり考えておきましょう。
出典:http://www.mhlw.go.jp/
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この記事の寄稿者
ポッポ
介護のほんねニュースのライター。話題の介護関連キーワードの中から気になるトピックについて解説します。