東京都世田谷区・砧公園。約39万㎡の広大な敷地の公園です。そこから徒歩約3分、緑の香りを感じる静かな場所で運営されているサービス付き高齢者向け住宅がガーデンテラス砧公園になります。
今回は施設長に「施設の強み」をインタビュー。入居者様に楽しんでいただくための「職員の持ち味を生かしたケア」について詳しくお伺いしました。
大切にしているテーマは「季節」
――砧公園のすぐ近くということで、自然が多い場所に立地していますね。
はい。砧公園は春になったら桜が咲きますし、秋にはキンモクセイの香りがします。四季折々の表情を見せてくれる公園です。そのためガーデンテラス砧公園でも「季節を感じる」というテーマを大切にしています。
――具体的にはどのような試みをされているのでしょうか。
まずハード面では、五感を通じて自然と人が触れ合える建物。『庭屋一如』(ていおくいちにょ)をコンセプトに据えた内外装が特徴です。
ソフト面では、季節を表す二十四節気をさらに細分化した「七十二候(しちじゅうにこう)」を館内に掲示して、季節の移り変わりを楽しんでいただくとともに、暦に応じたイベントも実施しています。
グループ企業であるシナジーを活かした強み
――グループ会社と連携を取れるのは大きな強みの一つですね。
そうですね。シマダグループではホテル事業も運営しており、『ホテルのような住まい』は1つのテーマとなります。
例えば、入居者様の年代に合わせた蔵書が揃い、竹の隙間から漏れる外光は時間によって表情を変えてくれるロビーラウンジは、上質な空間を演出してくれています。
ダイニングは最上階に位置し、砧公園を一望でき自然に囲まれながらのお食事は最高の時間となります。
また、同じく最上階にはテラスがあり、食後の憩い場として、入居者様同士のコミュニケ―ションが促進されるような仕掛けが施されています。
――そのほかでグループ内の協力体制を生かしている部分はありますか?
グループが運営するホテルの総料理長監修によるイベント食や、日本橋高島屋に出店しているベトナ料理専門店の米麺(フォー)を定期的に提供するほか、介護旅行事業者によるオンライン旅行サービス、専門スタッフによる園芸セラピー等々、グループの多様な事業領域を活かしたサービス提供も大きな強みです。
職員が強みを生かせるから、入居者様が楽しみを感じる
――プロによるサポートを受けることで、入居者様の生活も楽しくなりそうですね。
そうですね。いくらサービスの質が高くても、施設内の雰囲気が悪いと入居者様に楽しんでいただくことはできないとかんがえています。
そのため、「職員に持ち味を発揮してもらう」ということを大切にし運営をしています。
――詳しく教えていただけますか?
例えば、介護職員の一人には、音楽大学出身で、本場イタリアでオペラ歌手をしていた人材がいます。
――それは珍しいですね。
介護施設でありがちな「単に歌を歌う」だけではなく、発声練習から歌唱レッスン、七十二候の季節感をリンクさせることで、楽しみながら機能訓練にも繋がっています。
また、介護と調理もしている職員もいて、季節を大事にした調理レクを開催してもらっています。このように職員自身が「自分の得意なこと」と「介護」をかけ合わせて働いているのが特徴です。
――職員の方も働いていて楽しいでしょうね。
そうですね。充実感があると思います。
最近では、弊社のこうした取り組みをホームページで見て「私も働きたい」と希望するスタッフが入社するなど、採用面でも好循環が生まれつつあります。
すると、職場の空気も明るくなりますし、自然と交流が増える。その結果、入居者様に楽しく暮らしていただけるようになると考えています。
入居者様の楽しみは、生活の「意欲」となり、そのまま私たち職員の楽しみを創造する「意欲」にも繋がります。
大事にしているのは入居者様の「意欲」
――先ほどのお話の際に「意欲」という言葉を強調されました。やはり高齢になっていくとだんだん無気力になる方もいらっしゃると思いますが、意欲を引き出すためになにか工夫はされていますか?
高齢になると、人との関わりが少なくなり、徐々に社会から孤立しがちになります。できていたことができなくなる。その喪失感が「諦め」へと繋がってしまいます。
だからこそ、私たちは、今ある「できること」に目を向け、「役割」を作る事を大切にしています。
そのため、ガーデンテラス砧公園のデイサービスでは「配膳係」「下膳係」「食後のコーヒーを入れる係」など、様々な「役割」を入居者様に担って頂いています。
――なるほど。
見方によっては「お金を払ってホームに入ったうえで仕事を与えるなんて」と考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし入居者様は喜んで「役割」を果たします。
人は、役割があると「意欲」が湧いてきます。これが最大の自立支援に繋がると考えています。
私はスタッフと入居者様の関係について、スタッフが一方的に入居者様に何かを与える関係ではいけないと思っています。スタッフが入居者様に「ありがとう」と言える機会をどのようにつくるか。
私たちが1番初めにすることは、その方一人ひとりの「想い」を知るところから始まります。
安心の介護体制と日常生活のリハビリケアを実践
サービス付き高齢者向け住宅と聞くと、多くの方が「お元気な方が入居する施設」というイメージをもたれているかと思います。
ガーデンテラス砧公園では、24時間スタッフが常駐しており、「訪問介護」と「デイサービス」を併設しています。
訪問介護では、食事、ご入浴、排せつなどの身体介護やお掃除、洗濯、お買い物等の生活支援の基本サービスを。デイサービスでは、リハビリプログラムやを認知機能プログラムが充実しています。
体操プログラムでは、40分プログラムを2セット行い、個別での機能訓練にも力をいれています。また、ただ体操を行うだけでなく、音楽と連動するなど、身体と脳の両方へのアプローチを意識的に取り入れています。
介護保険サービス以外にも日常生活のなかでも、積極的に身体を動かしていただくようにしています。
例えば、ご夫婦でご入居されている方の中には、奥様が旦那様の車いすを押してあげる姿が見られます。施設によっては職員が対応をすることが多いかと思いますすが、ガーデンテラス砧公園では進んで奥様に押していただいて、スタッフは見守りに専念しています。
このように、基本的には「自分のことは自分でしていただく」ことが施設で大切にしていることです。
――あらためて今、介護施設を探されている方に向けてメッセージをお願いします。
どなたも余生を過ごすならば「家がいちばん」と思われているはずです。
安心の介護体制と介護施設とは思わせない「ホテルのような住まい」の中で、私たちは楽しみや役割を一緒に見つけていきます。
家以外で一番と思っていただけるようなホーム。これが私たちが目指す姿です。
是非一度、お気軽に見学にいらしてください。
この記事の寄稿者
緒方
介護のほんね編集部。認知症サポーターです。
介護を始めたての方に向けて、老人ホームや認知症に関する知っておきたい情報を、誰もが分かる簡単な言葉でご紹介します。