「どこの施設もやらないことを」 オリジナリティーあふれるサービス
ーー早速ですが、エントランスを入った途端、ぜいたくな内観に驚きました!
ありがとうございます。ガーデンテラス久我山は和をベースにした華やかな邸宅をコンセプトにしています。当ホームは入居者様のお住まいであると同時に、ご友人やご家族を招かれることもある場所です。そのため建物内に生活感を出さず、「介護施設」という印象を与えないように工夫しています。受付には業務連絡のプリントや、デイサービスのご案内のような張り紙をしないようにし、常に整頓された状態を保っています。
ーー確かに「介護施設」というより「ホテル」のような印象を受けました。
そう言っていただけると嬉しいです。ホーム内には絵画や陶器、生け花を飾っています。老人ホームによっては「危険だから」という理由で落下の危険があるものや割れ物を飾らない施設もあると思います。でもガーデンテラス久我山では飾りも生活を豊かにするものと考えて置いています。
ーーエントランスや食堂にあるお花がとてもきれいです。
弊社には「グリーンマネージャー」と呼ばれる園芸担当の職員がおり、生け花の剪定やテラスで育てている花壇の管理をしています。ほかにも、ホーム内の1階にあるデイサービスで園芸レクリエーションをおこなっています。
ーーお花を管理する専属の職員さんが? 珍しいですね!
そうなんです。運営元のシマダリビングパートナーズ株式会社は「オンリーワンなサービスを提供しよう」をモットーにしております。「ガーデンテラス」の名前のとおり、緑を愛でられるようなサービスには特に力を入れています。そのため専属のグリーンマネージャーを用意し、植物を通して暮らしに彩りを添えられるようにしているんです。例えば、ホームのテラスでは藍を育てており、毎年その藍を使って施設内にあるデイサービスの利用者様と藍染のハンカチを作っているんですよ。
ーー自分が住んでいるところで藍染体験ができるって、なかなかないですね。
ですので皆さま毎年楽しみにされています。また、エントランスの外側に竹が並んでいたり、テラスで旬の野菜を育てていたりと、入居者様の身近に自然があります。
また「どこもやらないサービス」という観点だと、運営会社のピアノが得意な職員が各ホームをまわってコンサートをすることがあります。職員の特技を生かして、入居者様に楽しんでいただこうということで。ドレスを着て本格的な演奏会のような雰囲気を作っていて、職員本人も楽しんでいます。
入居者様に寄り添い「どうすればできるか?」を皆で考える
ーーお話を伺っていると、自由な発想で入居者様にサービスを提供している印象を受けます。
そうですね。グループ全体に「何でも挑戦してみよう」という風土があると思います。「それはマニュアル外だからできない」「ルールに無いからやめてほしい」という職員はほぼいません。ガーデンテラス久我山でも、入居者様からいただいたご要望に対して「できません」ではなく「どうしたらできるか?」を職員みんなで考えています。それが「オンリーワンのケア」につながるからです。
ーー「オンリーワンのケア」とはどんなケアですか?
その方らしい生活が送れるようサポートするケアです。私たちはよく「今までの生活をあきらめないでほしい」と入居者様にお伝えしています。
例えば細かい点ですが、入浴介助をするときは始めから職員が体を洗うのではなく、まず見守るようにしています。入居者様それぞれに、洗い方の癖やご自身なりのルールがあるからです。
ーーそう言われると、たしかに私も体を洗う時は無意識に左腕から洗ってしまいます(笑)
そうそう、そんな感じです(笑)。どんなに小さな点であっても、それぞれの入居者様たちが何十年と重ねてきた生活習慣をなるべくそのままにしたい。それが「その人らしい生活」につながると考えているからです。
ーー「入居者様らしさ」を見極め、それぞれに合ったケアを提供しているんですね。ほかに「オンリーワンのケア」ができたエピソードはありますか?
お食事をほとんど召し上がれず、食べても一口だけという入居者様がいらっしゃいました。ご飯が食べられないので栄養摂取も難しく、お看取りとまでいわれていた方です。
ですが、介護職員がその入居者様と関わっていくなかで「量を食べること自体がストレスになっているのでは?」ということに気がついたんです。そのことを管理栄養士をはじめ調理スタッフたちと共有したところ、「まずは食べることを楽しんでもらえるメニューを作ろう」というアイデアが生まれました。後日、一口サイズの小さなおむすびと少量のおかず、スープだけをワンプレートにまとめてお出ししたんです。
ーー入居者様の反応はどうでしたか?
料理を見た途端「嬉しい~!」とおっしゃいました。ご自身の好みや食べられる量にあわせたメニューを気に入っていただけたようで、私たち職員も工夫してよかったと思えましたね。そこからはどんどんお食事を召し上がるようになり、2~3カ月で他の入居者様と同じ量が食べられるようになりました。一時はお看取りを覚悟していた方だったので、ご家族も驚き、喜ばれていました。
ーーその入居者様に対して「オンリーワンのケア」をしたいという思いが伝わったのでしょうね。
そうだと嬉しいですね。特にガーデンテラス久我山では料理にも力を入れているので、食を通じたケアができたことはよかったです。
1日のスケジュール
ーーガーデンテラス久我山の1日の生活スケジュールを教えてください。
当施設は住宅型有料老人ホームのため、それぞれの入居者様に自由にお過ごしいただいています。こちらでは一例をご紹介しますね。
7時頃から朝食のため、みなさま大体その時間にあわせて起床されます。9時から11時30分くらいの間に入浴介助をさせていただきます。
12時から昼食の時間です。現在の入居者様は交流好きな方が多く、ほとんどの方が食堂でご飯を召し上がります。もちろん居室配膳を希望される入居者様もいらっしゃるので、柔軟に対応しています。お食事の後は食堂でテレビを見たり、外のテラスでお茶会をされたりしていることもあります。5階のテラスは屋上にあるので見晴らしがよく、入居者様に人気の場所です。
その後、夕食まではそれぞれ自由に過ごされています。訪問介護サービスを利用して、近所のスーパーや商店街までお買い物に行かれたり、居室のお掃除や洗濯物を頼まれたりとさまざまです。またホームの1階にあるデイサービスを利用される方も多いです。
17時頃から夕食の時間となります。就寝介助が必要な方は20時頃、それ以外の方はお好きな時間にお休みになります。
ーー最後に、ガーデンテラス久我山へ入居を検討していらっしゃる方へメッセージをお願いします。
先ほどご紹介した通り、ガーデンテラス久我山では職種の垣根なくスタッフ皆で入居者様の生活をサポートしております。「スタッフのサポートを受けながら、自由に暮らしたい」という方におすすめの施設です。もちろん介護が必要になった方のご入居も受け付けております。当施設は開設4年目を迎え、職員数が増えてますます活気が出てきています。ぜひ一度ホームへご見学にいらしてください。
この記事の寄稿者
石橋
介護のほんね編集部です。老人ホームや介護にまつわることを丁寧にお伝えしていきます。