寄稿

ユニバーサルデザインフードとは|定義・4つの区分・見分け方などを紹介

ユニバーサルデザインフードは、「安全・美味しい・食べやすい・使いやすい」の4点を追求した介護食品です。「口腔機能に不安がある方」「日常的に介護食を取り入れたい方」は、この記事を参考にユニバーサルデザインフードを特徴を理解してください。      

ユニバーサルデザインフードとは|定義・4つの区分・見分け方などを紹介 | 介護のほんねニュース
松本健史

この記事の監修

松本健史

合同会社松本リハビリ研究所 所長

理学療法士。佛教大学大学院社会福祉学修士課程修了。専門は生活期リハビリテーション。病院・デイサービス勤務後2014年合同会社松本リハビリ研究所設立。全国の老人ホーム、デイサービス、介護施設でリハビリ介護のアドバイザー、生活リハビリセミナー講師、雑誌・書籍の執筆など活動中『転倒予防のすべてがわかる本 』(講談社)など著書多数。
YouTubeチャンネル「がんばらないリハビリ介護」/オンラインサロン「松リハLAB

ユニバーサルフードとは嚥下、咀嚼機能が弱まった方に配慮した食品を指します。今回はユニバーサルデザインフードの定義から区分、見分け方などをご紹介します。

ユニバーサルデザインフードの定義とは

ユニバーサルデザインフードとは、普段の食事から介護食にいたるまで「食べやすさに配慮された食品全般」を指す言葉です。

調理の手間が省ける「調理加工食品(レトルト食品・冷凍食品)」や、料理に加えることでとろみが増す「とろみ調整食品」などが挙げられます。

ユニバーサルデザインフードを考案したのは日本介護食品協議会です。要介護者の「美味しいものを食べたい」という願いを叶えるために、「安全・美味しい・食べやすい・使いやすい」の4点を追求した介護食品の提供を目指しています。

ユニバーサルデザインフードが商品に記載されていることで、介護者一人ひとりの咀嚼機能に合わせた商品を選びやすくなりました。また、日本介護食品協議会の基準に基づき食品メーカーがユニバーサルデザインフードを作っているため、消費者は比較しながら商品を選べます。

日本介護食協議会が制定している介護食の区分

日本介護食品協議会はもともと、2000年10月30日に日本缶詰協会(現・日本缶詰びん詰レトルト食品協会)が、介護食におけるGMP(適正製造基準)ガイドラインを策定するために、「介護食のGMPガイドライン策定打合会」を開催したことから始まりました。

この会に介護食品を取り扱うメーカー5社が招集され、ワーキンググループとして発足されたのです。ワーキンググループは介護食の区分を統一させることを提案し、「介護職区分表」を作成しました。

介護食区分表
噛む力の
目安
かたいものや大きいものはやや食べづらい かたいものや大きいものは食べづらい 細かくやわらかければ食べられる 固形物は小さくても食べづらい
飲む力の
目安
普通に飲み込める ものによっては飲み込みづらいことがある 水やお茶を飲み込みづらいことがある 水やお茶が飲み込みづらい
形状 容易にかめる 歯ぐきでつぶせる 舌でつぶせる かまなくてよい
食品形態の目安 普通の米飯~軟飯 軟飯~かゆ かゆ ミキサーがゆ
豚の角煮 煮込みハンバーグ テリーヌ レバーペースト
焼き魚 煮魚 はんぺん煮 ムース
目玉焼き 厚焼き玉子 温泉卵 やわらかプリン
にんじんの煮物 にんじんのグラッセ にんじんのおろし煮 にんじんのペースト
バナナ バナナ カットバナナ バナナピューレ
リンゴ一口大 リンゴ煮 リンゴすり下ろし リンゴピューレ
引用:日本介護食品協議会「UDF区分策定の経緯

この「介護職区分表」をもとに日本介護食品協議会が、現在の区分表・物性規格を作成したのです。これにより、多くのとろみ調整品や加工食品のパッケージに表が加わり、消費者も介護食の区分を把握しやすくなりました。

ユニバーサルデザインフードの4種類の区分

ユニバーサルデザインフードには4つの区分が設けられています。それぞれどのような区分になっているのか、詳しく解説していきましょう。

ユニバーサルデザインフードの区分表

画像提供:日本介護食品協議会

容易にかめる

「容易にかめる」区分は、かたいものや大きいものはやや食べづらいものの、飲み込む力は特に問題がない方が対象です。普通のご飯が食べられる方もいますし、焼き魚や厚焼き玉子など、咀嚼機能が健康的な方と変わらない硬さのものが比較的食べられます。

歯ぐきでつぶせる

「歯ぐきでつぶせる」区分は、かたいものや大きいものが食べづらく、飲み込む力もやや弱っていて、物によっては飲み込みづらさを感じる方が対象になっています。食感は少し感じられる程度で、やわらかご飯から全がゆ程度の柔らかさです。硬さの目安は、煮魚やだし巻き卵などが該当します。

舌でつぶせる

「舌でつぶせる」区分は、咀嚼機能がかなり低下しており、柔らかいものであれば食べられる方や、水やお茶でも飲み込みづらさを感じることがある方が対象です。ご飯も全がゆになります。魚のほぐし煮やスクランブルエッグなどの調理方法が好ましいです。

この区分から物性規格は硬さ上限値だけでなく、粘度下限値(mPa・s)も設定されます。上記の表に記載されている「ゾル」とは流動性がある状態です。「ゲル」はゾルが流動性をなくし、ゼリー状に固まった状態を指します。

例えば、お湯に寒天を溶かすととろみが付き、ゾル状態になります。このゾルを冷やすと固まってゲル状態になるのです。つまり柔らかさだけでなく、ある程度とろみがつき飲み込みやすい食品が対象となります。

かまなくてよい

「かまなくてよい」区分は、固形物が小さくても食べづらく、水やお茶もそのままだと飲み込みづらい方が対象となります。より流動性が高く飲み込みやすい食品がこの区分に該当します。例えばペーストがゆや白身魚のうらごし、やわらかい茶碗蒸し(具なし)などです。

ユニバーサルデザインフードの見分け方

4つの区分を見分けるには、ユニバーサルデザインフードのロゴ横に書かれている区分名で判断できます。

また「とろみ調整食品」という分類もあります。ただし、このとろみ調整食品は4つの区分とは異なり、とろみをつけるために使用する商品が当てはまります。

4つの区分との見分け方は、ユニバーサルデザインフードのロゴの横に「とろみ調整」、または「とろみ調整 ゼリー状」と表記されているかどうかです。「とろみ調整」という言葉が入っていれば、とろみ調整食品に分類されていることが分かります。

そもそも、とろみ調整食品はとろみのない食品や飲み物に加えて混ぜるだけで、簡単にとろみをつけられる商品です。とろみがあると飲み込むときにまとまりやすく、ゆっくりと咽頭から食道へ流れてくれます。

ユニバーサルデザインフードではとろみ調整食品を使用した際につく、とろみの目安表示も統一しています。

介護食が必要な際は対応できる介護施設を選ぶ

「介護食」はユニバーサルデザインフードに含まれます。食事にとろみを加えた「嚥下食」や、通常の食事よりも噛みやすさに配慮した「きざみ食」、食事をミキサーにかけてポタージュ状にした「ミキサー食」、ミキサーをかけてから固めて提供する「ソフト食」などがあります。

介護食への対応可否は介護施設によって異なります。例えば「ミキサー食は提供できてもソフト食は不可能」「一般的なきざみ食よりもさらに細かい食事を提供できる」など、まちまちです。介護施設を探す際には要介護者の咀嚼機能に合った食事形態を提供してくれる介護施設を選ぶようにしましょう。

ユニバーサルデザインフードで安全かつ美味しい食事を

介護食を自宅でつくるのは手間がかかります。しかしユニバーサルデザインフードも含め、市販されている介護食を上手に活用すれば、在宅介護の場合でも手間を省きつつおいしい食事を楽しめます。

また現在日本介護食品協議会に入会している企業は、アサヒグループ食品や味の素、キユーピー、カゴメなど、介護食品を手掛ける大手メーカーも多いです。「品質」という意味では信頼できるのも嬉しいポイントです。

ただし「介護される本人の咀嚼や嚥下力をしっかり評価すること」は大切です。主治医または言語聴覚士などの専門家に相談して、評価してもらいましょう。「本来は介護食がいらないのに、過保護になってしまう」というケースもあります。「食べる楽しみ」を守るために「嚥下体操」に取り組むなどの対策することも重要です。

介護のほんね編集部

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