深夜・早朝にも看護師がいるので安心
介護施設のなかには、医療従事者である看護師が日中・夜間・朝方と常駐している施設もあります。
深夜や早朝に入居者の体調が急変してしまうことは、しばしばあります。なかには急を要することもあり、救急車が到着する前に応急処置が必要になることも。
そんなとき、24時間を通して、専門知識・技術を有する看護師が身近にいることで迅速な処置ができるのです。入居者自身や家族にとっても安心できるでしょう。
今回は「24時間看護師常駐」ならではのメリットや選び方、おすすめの5つの施設などについて紹介します。「医療依存度が高い」「夜間の医療ケアが必要」などの条件で施設をお探しの方は、参考にしてみてください。
24時間看護師常駐の割合は介護付きで14.7%
介護付き有料老人ホームでは、日中の看護師配置は義務付けられていますが、24時間常駐は義務付けられていません。そのため、24時間常駐している施設は全国的にも多くはないのが現状です。
PwCコンサルティング合同会社の調査によると「常に夜勤または当直の看護職員(併設事業所と兼務の場合を含む)」の割合は、介護付き有料老人ホームで14.7%、住宅型有料老人ホームで10.2%、サービス付き高齢者向け住宅で5.8%となりました。
かなり少ないことが見て取れるでしょう。このように施設数も絞られてきますので、お早めに探して、仮押さえをすることをおすすめします。
24時間看護師常駐のホームはこんな入居者におすすめ
医療ニーズが高い方
看護師が24時間常駐していることで、夜間も医療措置に対応できるため、より医療依存度が高い方の受け入れができます。
専門的な医療行為が必要な場合は「24時間看護師常駐の介護施設でないと受け入れが難しい」こともあります。その代表的な医療行為として以下の処置が挙げられます。施設の設備などによっては、すべての処置を提供できるとは限りません。個別の病状対応については、必ず各施設の情報を確認しましょう。
24時間看護師常駐の施設でなければできない医療行為
- インスリン投与
- たんの吸引(夜間も対応可)※
- 経鼻経管栄養※
- 中心静脈栄養
- 人工透析
- 導尿カテーテル
夜間の医療措置が必要な方
看護師が24時間、常にいることで「夜間のたん吸引」「朝食前のインスリン注射」などの医療行為にも対応できます。
また、夜間に症状が現れることが多い認知症の方にとっても安心でしょう。
「もしも」に備えておきたい方
24時間看護師常駐のメリットとして「緊急時の対応」が挙げられます。夜間や朝方に体調が急変した際も、ナースコールや見回りによって看護師が気づき、すぐに応急処置をすることが可能です。
介護スタッフだけでは対応・判断できないことも、医療従事者である看護師が協力医療機関の医師の指示を仰ぎながら、迅速に対応できます。「もしも」に備えておきたい入居者とご家族にとって、安心できる体制です。
看取り・ターミナルケアをご希望の方
医療体制が整っていることもあり、終末期医療の経験が豊富なホームも多くあります。日々の健康管理で入居者様の些細な変化に気づきやすいほか、介護スタッフだけでは判断できないような局面でも、専門的な知識を持った看護師が適切に対応できるのです。
なかでも点滴や酸素吸入など、苦痛を緩和できるターミナルケアを実践している施設もあります。最期まで穏やかな日々を過ごしたい方におすすめです。
24時間看護師常駐の老人ホーム検討時のチェックポイント
対応可能な医療行為を確認しておく
24時間看護師常駐のホームであっても、対応できる医療行為は異なります。家族が入居者本人の現在の状況や疾患を把握し、必要な医療行為に対応できるかを事前に調べておきましょう。ホームページで受け入れ条件を公開している施設もありますが、認識にずれがないように施設にも直接問い合わせておくのがベストです。
入居費用・月額費用
介護スタッフのみが常駐している施設に比べて、看護師が24時間常駐するホームは、入居費用・月額費用の相場が高い傾向にあります。医療体制が整っていることは大きな魅力ですが、費用面も確認しながらご検討ください。
病院への付き添いにかかる費用
医療依存度の高い方は通院することも多いでしょう。1人で病院に通うことが難しい方は、病院の付き添いにかかるオプション代を確認する必要があります。多くの老人ホームでは病院への付き添いに費用が発生します。
協力医療機関を調べておく
看護師が医療ケアのサポートをする場合は、あらかじめ協力医療機関である医師の指示を受けていることがほとんどです。介護施設では、協力医療機関の情報も公開しておりますので、事前に調べておくといいでしょう。
また運営母体が医療法人のホームもあります。提携している医療機関があるので、入院の手続きもスムーズに進む可能性が高いといえます。
退去条件を確認しておく
入居時に結ぶ契約書には、退去条件も記載されています。医療的な視点で、施設側の対応が難しくなると退去を迫られる可能性もありますので、事前にホームに確認をしておきましょう。
24時間看護師常駐の老人ホーム5選
「介護のほんね」編集部がおすすめする24時間看護師常駐の老人ホームを5つ紹介します。介護のほんねに寄せられた口コミも合わせて紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
トラストガーデン用賀の杜
東京都世田谷区用賀の住宅地に佇むトラストガーデン用賀の杜は、24時間看護師常駐のホームです。加えて、通常の2倍の人員を配置しており、手厚いケア体制で入居者様をサポートします。
トラストガーデン用賀の杜の口コミ
24時間看護師が在中しています。この点でこの施設を選ばれている方も多くいました。 夜間も安心して過ごすことができます。看護師が在中してくれているので、医療処置のある方も気兼ねなく入所できる点はとても大きいと思いました。
夜間も看護師がいることで人気を得ているという声もあります。やはり「夜間に安心し生活できる」という点が好評なようです。
ニチイホーム海老名
ニチイホーム海老名は、相鉄線「さがみ野」駅南口より徒歩9分にある介護付き有料老人ホームです。全国で施設を展開する実績豊富なニチイグループが運営しています。
ニチイホーム海老名の口コミ
24時間看護師さんがいらっしゃるとのことなので、医療的なケアが必要な方も安心して入居できる環境と感じます。事務所にいらしたスタッフと見学を担当してくださったスタッフ、しっかりと説明してくださり、また雰囲気もよかったです。
医療ケアのニーズがある方にとってはぴったりですね。入居時に看護体制などを説明してくれる施設だと安心して入居ができます。そのうえで見学時のスタッフの雰囲気も、施設選びの決め手になります。
グッドタイムナーシングホーム・江戸川
グッドタイムナーシングホーム・江戸川は、東京都江戸川区にある介護付き有料老人ホームです。株式会社創生事業団が運営する「グッドタイムナーシングホーム」シリーズはすべて24時間体制で看護師が常駐しています。
グッドタイムナーシングホーム・江戸川の口コミ
24時間看護師が在住してるのは心強く、クリニックも併設されてるので、安心できました。介護士のかたも数名フロアにいるので、居室にもすぐきてくださいましたよ。
24時間看護師常駐だけではなく、建物1階には「さくらクリニック」を併設しています。緊急時にも迅速に対応できる点が魅力ですね。
ネクサスコート久地
神奈川県川崎市高津区にあるネクサスコート久地は「24時間看護師常勤体制のパイオニア」である株式会社ネクサスコートが運営しています。また、“食べる喜び”を長く維持していただけるよう「口腔ケア」にも注力しているホームです。
ネクサスコート久地の口コミ
24時間看護師駐在してくれているので、夜間も安心です。 インスリンや、処置がある方でも安心して入居できるそうです。 定期的に協力医療機関のドクターが往診してくれます。
早朝・日中・夜間とインスリン注射にも対応していますので、糖尿病の方も安心して暮らせますね。また医師の往診もあり、常に健康状態を管理できる点も魅力的です。
フローレンスケアホーム千鳥町
フローレンスケアホーム千鳥町は、東急池上線「千鳥町」駅、東急多摩川線「下丸子」駅から徒歩5分以内の便利な立地に位置しています。認知症ケアも充実していますので、認知症の方にもおすすめです。
フローレンスケアホーム千鳥町の口コミ
日中は看護師さんが3~4名、夜間も1名いるとのことで、比較的医療が必要な方もご入居されているようです。 訪問診療の先生も、夜間も常に連絡が取れる体制をとっていらっしゃるようなので、病院とまではいきませんが、安心できるかと思います。 胃ろうの交換も施設内で出来ると、少し珍しい対応も可能でした。 内科以外にも、歯科や心療内科、皮膚科も訪問で入っているとのことで、医療的には充実していると感じました。
看護師が24時間常駐しているうえに、24時間オンコール対応が可能な訪問診療とも連携しています。困った際にすぐスタッフを呼べる「オンコール体制」もまた何か異変があった際の対応を早くできる点で安心です。頼もしいサポート体制が魅力ですね。
24時間看護師常駐のホームをお探しの方は「介護のほんね」へ
医療ニーズの高い方にとって、介護施設選びは難しいかもしれません。介護のほんね入居相談室では、入居者様の条件に合った施設探しのお手伝いを無料でサポートしています。
また、下記の地図からご希望のエリアを選択すると、24時間看護師常駐に対応しているホームがエリアごとに検索できます。入居を検討している方はご活用ください。
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関東 [557]
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北海道・東北 [48]
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東海 [114]
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信越・北陸 [11]
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関西 [199]
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中国 [18]
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四国 [8]
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九州・沖縄 [83]
この記事の寄稿者
井上
介護のほんねニュース編集部。
認知症サポーターです。介護に関する今話題のトピックや疑問を、分かりやすくお届けします。