認知症は「記憶」「判断」「思考」などの認知機能に障害が生じ、日常生活に影響がある状態のことです。原因となる病気もさまざまで、確実な予防法や対処法は見つかっていません。認知症は誰にとっても身近な存在です。
老人ホームの多くは認知症の方を受け入れていますが、その程度は施設によっても異なります。積極的に受け入れている施設は、経験に基づいたノウハウや専門的な知識が豊富です。レクリエーションなどで自宅以上に刺激を受けながらストレスなく過ごすことで、症状の進行が緩和されるケースもあります。
認知症の方が介護施設を探すときは、何をチェックすべきなのでしょうか? おすすめの施設も交えながら紹介します。
まずは、認知症相談可の施設にどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。
認知症の受け入れ実績が多い施設では、スタッフも認知症の方への対応に慣れています。病気の種類による違いなども理解したうえで対応してくれるので、ご本人もご家族も安心して任せられるでしょう。
認知症相談可の施設では、認知症に効果が期待できるレクリエーションやイベントなどを開催しているところが多いです。生活の楽しみになり、さらに心身の刺激にもなる取り組みがあることは、介護施設ならではのメリットといえますね。
「あえて歩き回れるように“ロ”の字型の廊下がある」「全部屋が見渡せる場所にヘルパーステーションを配置する」など安全に、かつストレスなく過ごせる工夫をしている施設が多くあります。またほとんどの施設で玄関は施錠されていますので、勝手に外出してしまう心配もありません。
「自宅でのケアは難しいけど、できるだけ本人の自由に過ごさせてあげたい」と考えるご家族は多いでしょう。認知症相談可の施設では、入居者の性格や特性などを尊重しながら症状にうまく対処してくれます。
認知症に対応している多くの施設では、認知症予防にも取り組んでいます。まだ症状がそれほど進行していないという方にとっても、早めに予防に取り組むことは効果的です。
認知症に対応可能な施設を見学するとき、特に気を付けてチェックすべきポイントを紹介します。ぜひ施設選びの参考にしてください。
認知症の方にとっては、昼夜を問わず安全に過ごせることが最も大切です。なかには「夜間は1階にしかスタッフがいない」という施設もありますので、スタッフの配置は確認しておきましょう。
施設としての方針がないと、スタッフによって対応のバラつきがある可能性があります。「こういうケースにはどう対応しますか?」「職員への教育体制はありますか?」などと具体的に質問してみると、施設としての方針が見えてくるはずです。
施設としてどれくらいの実績があるのかは、1つの指標になります。前例がない種類の認知症であれば、施設側の対応も手探りになるかもしれないからです。認知症のタイプが分かっている場合は、その受け入れ実績や対応について聞いてみましょう。
施設によってはレクリエーションをあまり開催していないケースもあります。また頻度もさまざまです。入居してから「期待と違った」とならないよう、あらかじめ確認してください。
介護施設は基本的にバリアフリーです。しかし目が届きにくかったり、自分の部屋やトイレが分かりにくかったりすると、認知症の方にとってはストレスになることもあります。「過ごしやすさが考慮されているか」という視点でフロアを見てみることも大切です。
最後に、施設の退去条件を確認しておきましょう。状態が変わったときにすぐに退去を迫られてしまっては、また施設を探し直さなければいけません。できるだけ具体的な条件を聞いておくことで、いざというときの準備もしやすいでしょう。
認知症相談可の老人ホームを5つピックアップしてご紹介します。
SOMPOケア ラヴィーレ町田小山は東京都町田市の介護付き有料老人ホームです。SOMPOケア株式会社は「カスタムメイドケア」や「HECTアプローチ」を実践し、認知症ケアのパイオニアを目指しています。
落ち着きのある室内の配色かしてあり年寄りには良い環境では、と感じた。段差やバリアフリーは確実になされていて安心して使用できる場所が確保されていた。
生活するうえで安心・安全の環境が整っていることは重要です。高齢の方が違和感なく過ごせる空間だと、新しい生活にもなじみやすいでしょう。
施設の詳細はこちら:SOMPOケア ラヴィーレ町田小山
アズハイム川崎中央は、神奈川県川崎市にある介護付き有料老人ホームです。アズハイムは認知症ケアとならんでリハビリにも注力しており、作業療法士による個別のプログラムも受けられます。
ほぼ毎日様々なレクリエーションが用意されていたり、各月ごとに楽しいイベントが企画されており、本人も参加するのがとても楽しみな様子でした。
レクリエーションが頻繁にあることで、毎日の暮らしが楽しみになったそうです。心も体も活性化して生き生きと過ごせることは、大きな魅力といえますね。
施設の詳細はこちら:アズハイム川崎中央
ニチイケアセンター天神川は、京都府京都市にある介護付き有料老人ホームです。お買い物に便利なスーパーや川沿いの桜並木など、周辺環境にも恵まれています。
入居希望者の症状や体調などを気遣いながら、受け入れ体制を整えられるそうなので、預ける方としても安心できると思います。
1人ひとりの状況に合わせて柔軟に対応してくれるので、認知症の方の不安も軽減されるでしょう。
施設の詳細はこちら:ニチイケアセンター天神川
ネクサスコート白石南郷は、北海道札幌市に位置する介護付き有料老人ホームです。「レクリエーションを毎日開催」「食事は施設内厨房で調理」など、充実したサービスが受けられます。
夜間でも看護師さんがいるので夜中に何かあっても安心です。お医者様による定期健診もあるので体調管理もして頂け、健康相談にものってもらえるので心強いと思います。
介護スタッフだけでなく看護師も24時間常駐しているので、急な転倒や事故などのリスクにもしっかり備えられます。人員体制は施設によって異なるので、個別に確認することが大切です。
施設の詳細はこちら:ネクサスコート白石南郷
ラ・ナシカみとまは福岡県福岡市の介護付き有料老人ホームです。スタッフの教育に力を入れており、介護サービスの品質向上に努めています。
困ったことがあってもすぐに職員の方に相談することができて、解決してくれます。日中は寝てばかりの祖母ですが、積極的に部屋から連れ出してくれて、みんなが集っているところに連れていってくれます。
スタッフが親身になって対応してくれるという口コミです。入居するご本人はもちろん、家族にとっても頼れるスタッフがいることは嬉しいですね。
施設の詳細はこちら:ラ・ナシカみとま
「認知症だから入居できない」という介護施設はあまりありません。ただし対応できる症状や対応方針には差があります。認知症にしっかり対応してほしい、予防にも取り組んでほしいという方は、認知症対応を強みにしている施設がおすすめです。
認知症対応可の施設に興味がある方は、こちらから検索してみましょう。介護のほんねでは無料の入居相談も承っていますので、お気軽にご相談ください。
この記事の寄稿者
介護のほんねニュース編集部。
話題のニュースから介護関連キーワードまで、気になるトピックについて解説します。認知症サポーターです。