寄稿

地域包括支援センターの相談事例を7種類ご紹介! どんな悩みに対応してくれるの?

「地域包括支援センターってどんな相談を受け付けているの?」という方に向けて、地域包括支援センターの相談事例を7つご紹介します。高齢者のささいな悩みにも対応できる機関ですので、なにか不安があったらすぐ相談しましょう。

地域包括支援センターに相談する人

地域包括支援センターといえば、介護だけではなく、高齢者の生活全般の不安を解消するための機関です。全国の日常生活域に1つは存在しており「どこに相談すればいいの?」といったときに頼れる存在になっています。

ただ、実際に利用する際に「この悩みは聞いてくれるのか」と不安になってしまうこともあるでしょう。そこで今回はシミュレーションとして、実際にどのような相談ができるのかを事例方式で紹介します。


地域包括支援センターとは?

地域包括支援センターとは、介護保険法にもとづいて創設された機関です。地域の高齢者にまつわる悩みに対応をして、しかるべき事業所や専門家などと連携したうえでサポートをしてくれます。

65歳以上の高齢者と、高齢者に関わっている方であれば、どなたでも利用できます。また地域によっては地域包括支援センターではなく「高齢者支援総合センター」や「あんしんすこやかセンター」「シニアサポートセンター」などともいわれますので、混乱しないように気をつけましょう。

地域包括支援センターの詳しい概要については以下の記事をご覧ください。

また地域包括支援センターの役割は以下の記事で紹介しています。


地域包括支援センターで働く役職

地域包括支援センターではさまざまな役職の方が働いています。各役職の方が、それぞれの得意な分野を生かして相談者の悩みを解決すべくサポートをしているのが特徴です。

社会福祉士

社会福祉士はソーシャルワーカーともいわれます。地域包括支援センターでは総合的な悩みに幅広く対応したり、財産の保護などの権利擁護にまつわる業務に勤しんでいる職業です。

保健師

保健師はおもに高齢者の体調面にまつわる相談に対して専門的な知見を生かしてアドバイスをします。フレイル予防をはじめ、介護予防の事業者とつないでくれるなどのマネジメントが主な仕事です。

主任ケアマネジャー

主任ケアマネジャーはケアマネジャーに対する指導などもする職業です。主に地域での連携を深める仕事をしています。他のケアマネジャーや事業所などとの連携によって地域全体で高齢者の生活をサポートする体制を築くのが仕事です。

地域包括支援センターの7つの相談事例

地域包括支援センターの7つの相談事例

では実際に地域包括支援センターにどのような悩みが寄せられるのか、相談事例でみていきましょう。

1. 介護の必要性が出てきたが、どうしていいか分からない

相談者は58歳・専業主婦のAさんです。父親はもう他界をしておりますが、先月に母親が脳出血で倒れてしまいました。一命はとりとめたものの、介護が必要になった、という状況です。1カ月後に退院を控えていますが、退院後にどのようにして介護をすべきかが分かりません。そこで地域包括支援センターに相談をしました。

相談員の対応

相談員は状況を把握したうえで、介護をするうえで必要な手続きについて教えてくれます。「要介護認定の受け方」や「施設入居と在宅介護の違い」などについて詳しく説明をしてくれました。その後、老人ホームの検索サービスや入居相談窓口のチラシ、居宅介護支援事業所などのパンフレットなどを手渡してくださいました。Aさんは気になったチラシに電話をして、まずはケアマネジャーとの連携から準備を始めました。

2. 近くに住む高齢者が心配

30歳のAさんは集合住宅にひとり暮らしです。ここ1週間ほど、知り合いのBさんが家の周りをあてもなく歩いており、気がかりでした。そこで地域包括支援センターに相談に行きました。

相談員の対応

「近くに心配な高齢者がいる」と相談をすると、地域包括支援センターの職員さんは、すぐにBさん宅を訪問、すると認知症を患っていることが判明したので、介護サービス事業者と親族に連絡をして、解決できるように動きました。

3. 高齢者の友達づくり

78歳になるCさんは夫に先立たれてしまい、独居で生活していました。それを心配に思った息子夫婦が自分たちの暮らす一軒家に呼び寄せ、共同生活が始まりました。しかしCさんはなかなか新しい街に馴染めず、友達ができないことを悩んでいました。そこで自ら地域包括支援センターに相談しました。

相談員の対応

相談員はCさんの悩みを受けて、地域のカルチャーセンターや、交流スペースなどを紹介。Cさんは早速、カルチャーセンターに行ってみると、自分が好きだった茶道や華道などの教室を発見。同年代の方々と共通の趣味を楽しめるようになりました。

4. 自分は介護が必要かもしれないと気づく

75歳のDさんは自宅の階段で転倒してしまい、大腿骨を骨折してしまいました。手術、リハビリを経て退院したものの、自分1人では満足に生活ができませんでした。そこで地域包括支援センターに相談しました。

相談員の対応

相談員は現状を踏まえて、介護サービスの利用を提案。Dさんは翌週からホームヘルパーなど、訪問サービスを利用しながら安定した生活を送れるようになりました。

5. 病気の早期発見に

Eさんは最近、よくめまいを覚えることを自覚していました。かかりつけ医に相談すると、疲れからきているのだろうとのこと。しかし心配になったEさんは、その後地域包括支援センターに相談してみました。

相談員の対応

相談員は念のため他の医師にも相談すべき、とEさんにセカンドオピニオンを勧めました。Eさんがその日のうちに診断を受けると、脳血管の一部に異常があることが判明。早期発見が功を奏して手術の必要はなく、服薬での治療となりました。

6. 高齢者の虐待に歯止めを

35歳のFさんは奥様と2人のお子様の4人家族でマンションに暮らしています。隣に高齢の方が生活していることは知っていて、たまにすれ違う際に挨拶を交わす程度の仲でした。ある晩に隣から怒号と、食器が割れるような音を聞いたFさんは次の日に地域包括支援センターに相談しました。

相談員の対応

職員が隣にいくと、在宅介護によるストレスで娘さんが虐待をしていることが判明。すぐに職員やケアマネジャーを含め会議が開かれ、介護施設に入居することになりました。

7. 介護が必要になるかもしれないという心配

80際のGさんは散歩が趣味で、日常的に歩行をしていました。しかしある日、いつもよりも足に疲れが溜まっていることを自覚しその日は半分の距離で散歩を終了。翌日も同じように疲労感を覚えて、いつもの3分の1の距離で散歩を終えました。歩ける距離が短くなっていることが心配になったGさんは地域包括支援センターに相談しました。

相談員の対応

職員はフレイルの可能性があることを発見し、介護予防サービスをおすすめ。Gさんは介護予防サービス事業者のもとで運動にとりかかることになりました。

少しでも不安があれば地域包括支援センターに相談を

地域包括支援センターは高齢者の相談を幅広く受け付けている機関です。ご本人やご家族、また関係のない方でも、高齢者にまつわる不安が少しでもあれば、すぐに相談をしましょう。不安をそのままにしておくと、大きな問題に発展してしまう可能性もあります。

「こんな悩みを相談していいのかな」と思うかもしれませんが、地域包括支援センターは地域で高齢者の生活を守る機関ですので、真摯に回答をしてくれるはずです。

もし生活に不安を抱えている方がいらっしゃいましたら、以下から全国の介護施設を検索してみてください

緒方

この記事の寄稿者

緒方

介護のほんね編集部。認知症サポーターです。
介護を始めたての方に向けて、老人ホームや認知症に関する知っておきたい情報を、誰もが分かる簡単な言葉でご紹介します。

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