【前編】生きがいを形にするための仕組みとは? ソナーレ浜田山が実践する「Life Focus」に注目!

2020.10.29
ソナーレ浜田山 ホーム長の秋本さん ソナーレ浜田山 ホーム長の秋本さん

京王井の頭線「浜田山」駅徒歩3分、活気ある商店街から1本外れた通りに建つ介護付き有料老人ホーム「ソナーレ浜田山」を取材しました。

ホーム長の秋本一保(あきもとかずほ)さんは「生きがいづくりを具現化するための仕組みがある」と言います。一体どんな仕組みなのか、実際にどんな生きがいづくりをサポートしてきたのか、ホームでの暮らしを伺いました。

これまで生きてきた道にフォーカス

――ソナーレ浜田山ならではの特徴を教えてください。

当社(ライフケアデザイン株式会社)が運営する「ソナーレ」シリースでは「Life Focus(ライフフォーカス)」という事業コンセプトを掲げています。また「本当の長生きとは何かを追求し、実現すること」が私たちのミッションです。

このミッションを遂行するためにも、ソナーレ浜田山では看護師24時間常駐2:1の手厚い人員配置を整えています。特徴は「Life Focusに基づいた住まい」です。

――Life Focusとは具体的にどういうことでしょうか?

Life Focusとは、ご入居者様一人ひとりにしっかりと寄り添い、その方の今まで歩んできた“道”(暮らし方)をお伺いするなかで「これから何がしたいか」「どのように暮らしたいか」ということを引き出し、それを叶えていくお手伝いをすることです。

端的に言うと今まで生きてきた道にフォーカスし、この先どう生きたいかを見つけ、それを実現させることですね。

――実現させるために、どのようなことに取り組んでいますか?

はい、「ケアプラン」と「ライフプラン」の2種類の計画書をすべての入居者様に作成しています。当社ではそれらを合わせて「ライフケアプラン」と呼んでいます。

ケアプランは、日常生活に必要不可欠な介護・医療などのサービス計画です。ケアマネジャーが作成し、介護保険を使用したサービスとなります。

ライフプランは、ライフマネージャーが中心となり、その方がより“その方らしく”お暮らしいただくためのサービス計画書です。介護保険とは無関係の、ソナーレ独自のサービス計画なんですよ。

ライフケアプラン

――ライフプランはどうやって作成しているのか教えてください。

「PA」と呼ばれるパーソナルアシスタントを入居者様一人ひとりに配置しています。PAがこれまでの生活や好きなこと、やりたいことなどを入居者様に伺い、それを「ライフアセスメント」としてまとめます。

次にライフマネージャーがカンファレンスを開き、PAや看護師、機能訓練士などさまざまな職種の方たちと話し合ってライフプランを作成します。その計画に基づき、実行していく流れです。

そして、ライフプランが達成したら、単発で終わることなく新たなライフプランを作成していきます。

――ライフマネージャーとはどんな仕事ですか?

ライフマネージャーとはライフプランを実行するための職種です。彼らを中心に、入居者様の「これまで経験したこと」や「これからやりたいこと」を質問しながら作成していくんですよ。

――どのような方がライフマネージャーになるのでしょうか?

2020年10月現在では副ホーム長がライフマネージャーを兼務しています。入居者様のお話を聴いたり、くみ取ったりするのが本当に上手な人です。

過去に、担当PAが「何がしたいですか?」「どこに行きたいですか?」など入居者様にストレートに聞きすぎて、怒らせてしまったことがありました。

そんななか、ライフマネージャーが間に入り、ご本人様のバックボーンである幼少期や学生時代の話などを雑談的に引き出していったことで「そういえば、子供の頃に行っていた教会にまた行ってみたいなぁ。」などの想いを聞き出すことができました。

また、この入居者様は予定が立て込んでいる日が多く、夕方にお声がけすると、比較的ゆっくりお話してくださるということも、ライフマネージャーは掴んでいましたね。

PAに対してもフォローやアドバイスもしてくれますし、彼の存在が当ホームのLife Focusを支えてくれていますね。

エントランス 1Fラウンジ

「生きがいづくり」を仕組み化する

――入居者様の経験や想いを引き出すコツがあれば教えてください。

月並みかもしれませんが、入居者様ときちんと向き合うこと。しかし普段のお世話をしながら、じっくり入居者様に向き合うことはとても難しい現状です。

そこで各職員に毎月2回、入居者様と向き合う「Life Focusの活動日」を作ることにしました。だいたい20日ほど勤務日があるのですが、そのうちの2日は通常の介護業務を離れてもらい、Life Focusを実現することだけに専念してもらっています。

――Life Focusの活動日があるんですね。

はい、業務として仕組み化されているから質の高いライフプランが具現化できるのだと思います。

活動日がないと、やる気のある職員さんだけががんばったり、勤務時間外まで仕事したり……。こうなってしまうと、単発で終わってしまい、結果長続きしません。

また、声の大きい入居者様のご希望しか聞こえなくなってしまいます。すべての入居者様が夢を語れるように、仕組み化は大切ですね。

――ライフプランの実例を教えてください。

90歳、要介護1の入居者様で料理が好きだった方がいらっしゃいます。

ホームではお食事を用意していますので、なかなか自分で料理を作る機会がありません。そこでイチから自分でピザを作るというライフプランを実施しました。

スタッフと一緒に食材の買い出しからはじめ、おいしいピザを焼いていただきました。スタッフもいただき、とても楽しい時間でしたね。

グランドダイニング グランドダイニング

――まさにやりたいことの具現化ですね!

そうですね、この瞬間が我々職員のやりがいでもありますね。

ご年齢を重ねていきホームでの生活が始まるときは、いろんなことを諦めたり、入居自体が不本意だったり、マイナスな想いを抱えながら入居を決めた方もいらっしゃいます。

そういう方にもホームでの暮らしを充実させていただきたいです。もっと夢を語っていただきたいですね。

会話ができなくても、夢を形にするには

――自分の意思を表せない介護度の重い方のライフプランは、どうするのでしょうか。そういう事例はありますか?

はい、すべての方にライフプランを作成していますので、もちろんありますよ。当ホームにも、会話することが難しい要介護5の入居者様がいらっしゃいます。その方の場合は、PAがご家族にアプローチし、ライフプランを作成しました。

ご家族のお話を聴くなかで、入居者様は若いころ歌手のテレサ・テンが好きだったことが分かったんです。

そこでLife Focusの日を使って、屋上のガーデンテラスでテレサ・テンの曲を流し、外の空気を吸いながら音楽を楽しんでいただきました。

テレサ・テンの曲を楽しむ入居者様 テレサ・テンの曲を楽しむ入居者様

――入居者様の反応はどうでしたか?

ほとんど反応のない入居者様なのですが「また行きましょうね」と言うとうなずいてくれたのです。そのちょっとした反応がご家族の喜びにもつながりました。

そして次は娘様が「母と触れ合いたい」ということで、次なるライフプランの軸とすることにしました。コロナが流行している時期でもあるので、館内で母と娘が寄り添える時間をご用意したいなと。

館内にビューティーサロンがありますので、お母様のヘアカットを娘様にお願いすることにしました。

こうやって「次に何をやるか」と切れ目なく続いていくのも、ライフプランの特長です。

ビューティーサロン ビューティーサロン

――入居者様やご家族からも次々と要望がでてきそうですね。

私たちとしても、言いやすい雰囲気や関係を作ることを大切にしています。入居者様のご要望を通して、自分たちがどこまでできるか、日々学んでいきたいですね。

――言いやすい雰囲気や話しやすい関係を作るコツはありますか。

日々の関わりがすごく大事です。それとフラットに接することでしょうか。

個人的な見解ですが「不自由になることが不幸になることではない」と考えています。その方の価値が落ちることはありません。

なので、不自由になったから特別に接するわけでもないし、何かを諦めてもらうとかもありません。その人のありのままを受け入れてフラットに接することで、良好な関係を築けるんだと思います。

<後編に続く>
インタビュー後編では、ソナーレ浜田山がこだわっている「スリープマネージメント」について、ホーム長の秋本さんに具体的な施策や改善事例を伺います。

ビューティーサロン

老人ホーム・介護施設の概要
施設名:ソナーレ浜田山
事業者名:ライフケアデザイン株式会社
住所:東京都杉並区浜田山三丁目26番8号
ソナーレ浜田山の詳細ページ

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井上薫

介護のほんねニュース編集部。
認知症サポーターです。介護に関する今話題のトピックや疑問を、分かりやすくお届けします。

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