2020年7月に完成した「ツクイ・ののあおやま シニアレジデンス」は東京メトロ千代田線・銀座線・半蔵門線「表参道駅」から徒歩5分の場所に立地しています。上層階には賃貸マンション、レストラン、ショップエリアにはカフェや保育園などが集合した街「ののあおやま」に位置するサービス付き高齢者向け住宅(一般型特定施設入居者生活介護)です。
様々な文化が交差し、気品あふれるエリアとして知られる「青山」という立地において「ツクイ・ののあおやま」はどのようなお客様にサービスを提供しているのか。総支配人・山中秀樹さんにお話をお伺いしました。
地域交流スペース・ののあおやまで交わされる「自然なコミュニケーション」
ーー他の施設と大きく違うのは「ののあおやま」という街の一角として運営していることですよね。
はい。1~4階までが当レジデンスです。1階には「ツクイ訪問看護ステーション」、「ツクイ・グレイスケア」があります。5~25階は賃貸マンションになっていますので、様々な世代の方が同じ建物で生活しているのは特徴ですね。
ーーお客様以外の方との交流も増えそうですね。
例えばお客様と一緒に外をお散歩中に保育園のお子様が屈託のない笑顔で手を振ってくれたり、マンションにお住まいの方が声をかけてくれたりすることはよくありますね。
とはいえ、過度に交流を促すようなことはせず、ごく自然なコミュニケーションを心がけています。そんな何気ない光景がいかに今の日本で特別かを、ここ「ののあおやま」は感じさせてくれます。
ーー「ののあおやま」では街全体として毎週様々なイベントが開催されていますね。自然と外出したくなるような環境があるのではないでしょうか。
その通りです。例えば2020年9月に「青山星灯篭」という灯篭を飾るお祭りが「ののもり」で開催されました。多くのお客様が参加されて、楽しまれていました。レジデンス職員がお連れしたり、レジデンスからご家族と一緒に会場まで歩いて行かれた方もいました。
「目と鼻の先で楽しそうなイベントが開催されているから出かけてみましょう。」
そんな“きっかけ”を私たちが提供しているに過ぎないかも知れませんね。
ーー「ツクイ・ののあおやま」としては、独自のアクティビティやイベントはあるのでしょうか。
「ツクイ・ののあおやま」では街全体で開催されるイベントに合わせて、様々なアクティビティを開催しています。例えば「青山星灯篭」の際には開催時間の前にカフェスペースでお客様とご家族に稲荷ずしを提供しました。今回のイベントを企画した機能訓練指導員も浴衣を着て楽しんでいましたね(笑)。
ーーそれは面白い企画ですね! イベントはかなり頻繁に開催されているイメージですが、専任の担当者を任命しているんでしょうか?
いえ、職員なら誰でもイベントを企画・開催できるようにしています。お客様、職員達の出身地の特産物を活かした食のイベントや、ハロウィン、クリスマスなどお客様と一緒になってわくわく出来るイベントをいつも考えています。そうするとレジデンス内は明るい雰囲気に満たされるんです。
ーー確かに。お客様だけでなく職員の方ものびのびと働いているのがイメージできます。
介護サービスを受ける方も、提供する職員もお互いに寄り添い、なによりも「今」を楽しんでいるように思います。過度なケアよりもお客様を笑顔にすることを第一により自然に生活していただけるのかな、と思っています。
ーー表参道駅から徒歩5分という立地も特徴的ですね。「青山」という街はブランド力があるイメージです。
そうですね。ハイブランドのお店が多くあるイメージですが、一歩路地を入ると昔ながらの街並みが残っているのも青山の特徴ですね。館内の家具なども使い勝手を重視し、一つひとつこだわりをもって選びました。このこだわりも「青山らしさ」かなと思います。
カフェスペース横のバルコニーにもグリーンを設置し、ののもりと繋がっているという一体感を感じていただけます。
「つなぐ」ことで生まれる新たな介護のカタチ
ーー青山のブランド力にかなうデザインを意識しているのですね。また、近くには原宿や渋谷などがあり、若者も多いエリアですよね。
はい。多くの方が青山と介護というものは結びつかなかったと思うんですね。でもこの青山という土地だからこそ新しい、付加価値のあるサービスが生まれることを革新していました。
私が「ツクイ・ののあおやま」の総支配人になった際に、コンセプトとして介護と今までリンクしてこなかったサービスを“つなぐ”ということを考えました。
ーー「つなぐ」ですか。
はい。もっと自由な発想で様々な分野と繋がることを考えました。館内にアロマを導入したのもそういった理由です。
お客様との関わりも繋ぐことから始めました。
例えば帰宅願望があるお客様と一緒に朝の原宿を散歩しながら、コーヒーを飲みに行ったり、ご家族の話をしながらゆっくりとした時間を過ごしました。
人通りが少ない早朝を選んだのは新型コロナウイルスの感染対策のためです。表参道の緑のトンネルを歩いていると、自然な会話のなかでお客様が原宿の思い出をお話になるんですよ。こうやって自然と回想法(※)になっているんですね。
※回想法:認知症療法の1つ。過去を思い出すことで認知機能の向上に効果があるとされている。
ーーなるほど。
すべてのサービスを館内で提供するのではなく、外に出ることでお客様がもっている可能性が見えてくると思っています。「ルール」や「リスク」ですべてを不可能にしてしまうのではなく、自由のなかに私たちが創造するケアがあるんです。
認知症であっても外とのコネクションをしっかり持つことによって“自分らしさ”を取り戻すことが出来る、そんなことを職員全員が感じた瞬間でした。
ーー外を歩くことで運動にも繋がりますね。
その通りです。青山という立地柄、ショップやレストランがたくさんありますので歩いているだけで楽しい気分になりますよね。街全体が機能訓練スペースになるというのはお客様にもたいへん好評です。
ーーその他「ツクイ・ののあおやま」ならではのサービスはありますでしょうか。
私たちは“運動・腸内環境・睡眠”にこだわったサービスを提供しています。プレミアムサービスの一つであるBAT(※)と連携し機能訓練を実施し“生涯歩き続けること”に取り組んでいます。また発酵食品や麹を使用した自然の恵みを活かした食事で腸内環境を整えています。実際お薬が減ったという方もいらっしゃるんですよ。日中にしっかり運動し、健康的に身体に優しい食事で、身体の中からサポートする。そして夜はゆっくり眠る。生活リズムが整っていくのが想像できますよね。
※BAT:Body Analysing Technology、自律歩行に特化した専門技術のこと。
ーーアクティビティはどんなものがありますか?
今後は国際交流のサービスを計画しています。海外で日本語を学んでいる方をオンラインでお繋ぎし、日本語でコミュニケーションをとっていただきます。
今は新型コロナウイルスの影響で行き来はできませんが、ゆくゆくは来日した際にお客様に会いに来てくれたら嬉しいなと思っています。お客様の“夢”や“生きがい”になると思います。
ーー未来を見据えた素敵な取り組みですね。お話しを伺っていると、自立や要支援の方が多いのかな、と思いました。
「ツクイ・ののあおやま」は「一般型特定施設入居者生活介護(※)」を受けておりますので、食事や健康管理・入浴・排泄などの日常生活において、24時間365日の介護サービスを包括的にご提供しています。介護職員の他に常勤看護師もおりますので健康相談や健康面の小さなお困りごとにも対応可能です。
また、24時間体制で訪問診療対応可能な「悠翔会」と連携することで医療体制も整っています。
※一般型特定施設入居者生活介護:介護保険法の基準を満たし、都道府県知事または市区町村から認可された施設
ーーそれは安心ですね。
特定施設入居者生活介護のサービスを利用していても、ご要望によっては訪問看護や訪問介護などの自費サービスとの連携も可能ですので、レジデンスのサービスのみではなく、お客様の快適さを最優先にサービスをご提案させていただきます。これも特定施設入居者生活介護と外部サービスを繋げるという発想ですね。
ーー少し視点を広く持つだけで、こんなにもお客様の選択肢も増えるわけですね。お食事や入浴についても教えてください。
はい。基本的に食事の時間はたっぷり2時間を取っており、出来たての“おいしさ”にこだわっています。ゆっくり目覚めた朝や、散歩の後にもご自分のペースでお食事を召し上がっていただけます。
ちょっとホテルのような感じですよね。
ーー時間も自由なんですね! 驚きです。
そうですね。レジデンス内のタイムスケジュールは機能訓練くらいでしょうか。すべて決めてしまうと、お客様の自由が損なわれてしまうと思ったからなんです。
時間を決めてしまうと、決まった時間に食事をとり、入浴して、決まった時間に就寝する。自宅であればその日ごとに違う生活があるはずと考えた結果、スケジュールはないんです。「ツクイ・ののあおやま」はお客様のご自宅なので。
ーー本当に自宅のように使っていただけるのですね。ご家族も頻繁に来られますか?
はい。ご家族の面会も24時間いつでも可能です。アクセスにも優れておりますので「仕事帰りに立ち寄れる」と好評です。お客様もご家族と一緒に外食に出かけたり、ショッピングに出かけたり「青山ライフ」を満喫していますよ。
歳を重ねても、何かを“新しく”始められるシニアレジデンス
ーー根底にはお客様に生き生きと生活をしてもらう、という考えがあるように感じました。
そうですね。自宅と同じように生き生きと自由に生活することが、お客様にとっていちばんの幸せだと思います。お客様が嬉しいときも、辛いときも、私たちは寄り添っている職員でありたいと思います。
ここはたくさんの出会いが待っています。歳を重ねたから、介護が必要になったから「出来ない」ではなく、「ツクイ・ののあおやま」だったらできることはたくさんあります。「ツクイ・ののあおやま」を「新しい始まりの場所」と思って、ぜひ一度ご見学にいらしてください。
老人ホーム・介護施設の概要
施設名:ツクイ・ののあおやま
事業者名:株式会社ツクイ
住所:東京都港区北青山3-4-3
ツクイ・ののあおやまの詳細ページ
この記事の寄稿者
緒方
介護のほんね編集部。認知症サポーターです。
介護を始めたての方に向けて、老人ホームや認知症に関する知っておきたい情報を、誰もが分かる簡単な言葉でご紹介します。