【後編】現場の連携で自立支援 サービス付き高齢者向け住宅「マザアス札幌」の暮らしとは?

2020.10.06
スタッフと入居者様 スタッフと入居者様

地下鉄東豊線・さっぽろ駅から徒歩2分、札幌の中心地に立つ「マザアス札幌」は、要支援・要介護認定を受けた人を入居対象とするサービス付き高齢者向け住宅です。【前編】では、便利な立地の魅力や連携を大切にした介護体制についてご紹介しました。

【後編】では、マザアス札幌が大切にしている「自立支援」の考え方について、施設長の小澤健太郎(おざわけんたろう)さんと副施設長の矢田裕貴(やたひろたか)さんに語っていただきます。スピードや効率ではなくあくまでも「ご本人のため」を思う自立支援の取り組みとは、どのようなものなのでしょうか?

最も大切なのは入居者の自立支援

――お話を伺っていると、想像していたよりも、スタッフがかなり密に関わっているのだなと感じました。

そうですね、スタッフと入居者との関係が深いのはマザアス札幌の特長の1つです。

これは決して自慢できるエピソードではないんですが、実は先日、ある介護スタッフが介助をしている最中に入居者様をケガさせてしまったんです。すぐにご家族にも連絡して、介護スタッフから「こういう状態でこうしたらケガをさせてしまった」と状況を詳しく報告して謝罪しました。

するとご家族は「しっかりやってくれているのはよく分かっています。施設長さんもスタッフを責めないであげてください」と、許してくださったんです。

そのスタッフをはじめ、現場の全てのスタッフが日ごろから入居者様やご家族との信頼関係を築いていたからこそ、理解していただけたのだと思います。

――確かに信頼関係がなければ、スタッフや施設のことを疑ってしまいますね。

ケガはもちろんあってはいけないことで、反省すべきことです。しかしその場面で、私たち管理者でもなく、まず第一に現場のスタッフを信頼していただけることは、本当にありがたいことだと感じました。

――本当ですね。スタッフの皆さんは日ごろ、どのようなことを心がけて対応しているのでしょうか?

中心にあるのは「自立支援」の考え方です。あれもこれも手伝ってしまっては、結果的にできることを奪ってしまってご本人のためにならない。だから、できることは「自分でできるからがんばりましょう」とご自身でしていただく。

そのためには一人ひとりのことを注意深く見守ることが必要なんです。傍から見ていても、つい手を貸したくなるようなところを本当に辛抱強く見守っているなと、感心させられますよ。

――何か具体的なエピソードがあれば教えてください。

そうですね、例えば車イスを自分の手でこげる方には、食堂まで自力で来ていただきます。当然ですが、介護スタッフが押した方が圧倒的に早いんですよ。でも、ゆっくりでもご自身で移動していただきたいから「ここで待ってますよ」と、見守りながらじっと待つんです。

他にもある入居者様は、ご本人もご家族も「車イスを使いたい」とおっしゃっていたんです。でも私たちは「もう少し歩行器で頑張りましょう」と説得して、車イスを手配しませんでした。それは、ご本人にまだ歩ける能力があったからです。その方は今でも、歩行器を使いながらちゃんとご自身で歩き続けています。

「安易に車イスに頼らない」というのも、私たちの方針の1つです。なかには、90歳を超えてパーキンソン病を患っていても、しっかり歩けている方もいらっしゃいますよ。

――でもご本人やご家族の意向と異なれば、反感を買うこともあるのではないですか?

ありますね。正直なところ「なんでやってくれないの!」と怒られることもあります。

それでも私たちが過剰に介助をしないのは、何よりもご本人のためです。「車イスを使わなくても、歩行器があれば歩ける。歩ければ自分でトイレにも行ける」というように、できることの先には他にもできることがあります。それを見失ってはいけません。

だからこそ、一人ひとりのスタッフが入居者様と密に関わって、できることとできないことをしっかり見極めるんです。

――できることの見極めは誰がするんですか?

特定の誰かとは決まっていません。スタッフやケアマネジャーが観察して気づいたことを情報共有します。そして、どこまで見守ってどこから手助けするのかを共通の認識として決めるんです。

基準を決めることで「あの人はやってくれるけど、この人はやってくれない」といった、スタッフによるサービスのばらつきも防止できます。

――サービスの質の面でも、情報共有が大切なんですね。

そうですね。あとは私たちのサービスの特長として、ケアプランの見直し頻度が多いこともあります。

車イスの例でいえば、歩行器で歩き続けるために生活支援の一環として、廊下での歩行練習をサポートするようなこともあります。続けているうちに、きちんとケアプランに組み込んだほうが効果が得られそうだとなれば、すぐにケアプランを見直して反映するんです。

ケアプランの更新のタイミングを待つことなく、必要に応じて早期に対応できるのも、連携があってこそですね。

マザアス札幌の居室 マザアス札幌の居室

自立向けのサ高住「ブランJR札幌」も併設

――マザアス札幌と同じ建物の上層階には、別の高齢者向け住宅が入っているんですよね?

はい。「ブランJR札幌」という、比較的自立度の高い方を対象としたサービス付き高齢者向け住宅です。株式会社マザアスと同じ、ミサワホームグループで運営しています。

――「ブランJR札幌」から移り住まれるようなケースもあるんですか?

まだそれほど多くはありませんが、いらっしゃいますよ。「ブランJR札幌」で暮らしているときから建物内の訪問介護事業所を利用していて、もう少し見守りがあった方がいいということで「マザアス札幌」に移って来られるケースです。

反対に「マザアス札幌」から「ブランJR札幌」に移られる方も、実はいらっしゃるんですよ。

――どういうことですか?

「マザアス札幌」で生活するうちにどんどんお元気になられて、住まいを移されることがあるんです。しっかり栄養のあるお食事を3食召し上がって、見守りのもとケアを受けていたことの成果なんでしょうね。ご自宅に戻られる方もいらっしゃるんですよ。

――そんなケースもあるとは驚きです!

施設をお探しの方へのメッセージ

――「マザアス札幌」はどのような方におすすめでしょうか?

そうですね、ご家族との関わりも大切にしているので、ご家族にも協力していただける方におすすめしたいです。

施設入居にあたっては、経済面も重要です。食費や雑費なども含めると月25万円程度が必要になりますので、ご予算に無理のない範囲でご検討いただきたいと思います。

――施設探しをされている方にメッセージをお願いします。

はい。金額面については、当施設に限らず皆さんが心配されることだと思います。料金を確認するときには、有料サービスの内訳が明確か、つまり何にいくらのお金がかかるのかまでしっかり確かめることをおすすめします。

「月額料金が安いと思ったら思わぬサービスまで有料だった」というお話も耳にすることがあります。想定外の出費に悩まされることのないように、具体的な金額を確認してくださいね。

また、見学に行って建物の造り人員配置スタッフの動きを確かめることも大切です。例えばフロアの構造としては死角が多いのに人員配置が少なければ、万一のときの発見も遅れるかもしれません。「スタッフがどこに常駐しているのか」「きちんと巡回しているか」など、見守り体制も確認しておきましょう。

マザアス札幌は、見学に来られた方から「ここのスタッフはきちんと手を止めて挨拶してくれる」と嬉しいお言葉をいただくことも多いです。スタッフの言動にもサービスの質が表れると思います。見学のときには、ぜひスタッフにも注目してみてください。


老人ホーム・介護施設の概要
施設名:マザアス札幌
事業者名:株式会社マザアス
住所:北海道札幌市中央区北3条東1丁目1番1号
マザアス札幌の詳細ページ

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寄稿者

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宮本由季

介護のほんねニュース編集部。
話題のニュースから介護関連キーワードまで、気になるトピックについて解説します。認知症サポーターです。

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