2020年6月29日、IAEE実行委員会が主催する『Maas&Innovative Buisiness Model Award(MaaSアワード)2020』の選考結果が発表され、介護に関連のある2つの取り組みが受賞しました。「大賞」を受賞したのは、ダイハツ工業株式会社の「通所介護事業施設向け送迎支援システム『らくぴた送迎』および福祉介護領域における共同送迎の実現に向けた取り組み」です。「サステナビリティ・地域貢献部門」には、伊那モバイルクリニック事務局の「医療マース」が選出されました。
『MaaSアワード』とは、MaaS(Mobility as a Service)をはじめとするモビリティテック市場において社会的に意義がある取り組みや、交通などにおいて生活を一変させる新たな挑戦などを評価、選出するものです。
「大賞」に選ばれたダイハツ工業株式会社の「らくぴた送迎」は、通所介護の送迎業務をサポートするシステムです。従来の送迎では「ベテラン職員しか運行計画を作成できない」「ドライバーが確保できない」「道が狭く家の前まで来られない」などの課題がありました。
「らくぴた送迎」では利用者宅の地図や各利用者情報、送迎にかかる時間を画面上で確認できるため、経験の浅い職員でも送迎計画を作成できます。送迎中もドライバーの専用スマートフォンを通じて、送迎の進捗や車両の現在地をリアルタイムに把握。急なキャンセルや変更も即時連携が可能です。送迎計画作成から運行管理、実績把握までを見える化することで、効率的で快適な送迎を実現しています。
なかでも細い路地に対応できる軽自動車や運転手が確保しやすい小さい車による「スモールカー送迎」など、日本ならではのMaaSビジネスに取り組んでいる点が評価されました。さらに、自治体が複数の介護事業者の送迎をとりまとめ地域一体となった利便性の高い送迎を実施しており、多数の自治体への広がりも期待されます。
ダイハツの担当者は「人口減少、高齢化という未来を見据え、地域で協調して新しい価値を生み出すことが大切。今ある資産を掛け合わせて効率的なサービスを増やし、地域を良くしたい」と、より一層の発展に意欲を見せています。
「サステナビリティ・地域貢献部門」を受賞したのは、伊那モバイルクリニック事務局の「医療マース」です。長野県伊那市がMONET Technologies、株式会社フィリップス・ジャパンとの協業で、2019年12月よりテスト運行しています。山の中に位置する同市は通院が困難な環境に加え、深刻な医師不足も課題になっていました。
そこで取り入れたのが、専用車両「ヘルスケアモビリティ」で遠隔診療をする「医療マース」です。看護師が「ヘルスケアモビリティ」で患者宅を訪問し、患者は車内で医師によるオンライン診療を受けます。車両には診察や診療、患者情報の管理が可能な機能を搭載。将来的には介護分野にも進出し地域包括ケアのプラットフォームとなることや、デジタル処方箋でドローンによる薬の配送なども構想されています。
介護分野でのMaaSの発展について、事務局である株式会社ジェイシーレゾナンスの担当者は「日本のMaaSは欧州での普及とは違うステージで展開されており、人材不足と高齢化社会という二つの課題を解決するため地道に取り組みが進んでいる」と、介護現場での課題解決の一助になる可能性に期待を寄せています。
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この記事の寄稿者
宮本
介護のほんねニュース編集部。
話題のニュースから介護関連キーワードまで、気になるトピックについて解説します。認知症サポーターです。