2025年に介護業界は100万人の人手不足になる
2008年から始まった外国人介護士、看護師の受け入れ制度。 この制度は「労働力不足への対応として行うものではなく、相手国からの強い要望に基づき交渉した結果、経済活動の連携の強化という観点から実施するもの(厚生労働省HPより)」となってます。しかし、この受け入れ制度も実際は日本での労働力不足解消を見込んでのものと言えるでしょう。 現時点でも介護業界は人手が足りていない状態ですが、今後さらに10年後には100万人の人手不足が予想されています。 さて、この制度を利用してやってきた留学生は、期待どおりすでに日本の介護現場で働いているのでしょうか?
出典:http://www.mhlw.go.jp/
フィリピンからやってきたMさんは今・・・?
彼女は特別養護老人ホームで3年間働きながら、介護福祉士の国家試験に1発合格。 現在は有料老人ホームで正社員として働き、リーダーを任されています。介護の仕事に「やりがい」を感じている彼女。そんな彼女のような頼もしい仲間がどんどん増えてほしいものです。
出典:http://www.fsight.jp/
言葉の壁に阻まれる留学生が大半
しかし、Mさんのような頼もしい仲間がどんどん増える、とまでいかない理由の1つが「言葉の壁」。 介護留学生は働きながら日本語を覚え、3年後に介護福祉士資格を1発取得しないと在留資格を失います。現在は基準点の半数を取れば延長申請は可能ですが、それでも合格率は日本人の半分(39%)にとどまっています。単純に考えて、この時点で6割以上が帰国せざるをえません。
出典:http://www.bimaconc.jp/
資格を取っても帰国してしまう留学生が2割も?
一方で、介護福祉士資格を取得しながらも、日本で働かずに帰国してしまう人は少なくありません。 インドネシアの看護大学を卒業したNさん、母国で看護師をしていたSさんもそうです。帰国した理由は「親に帰国を促されたから」「介護の仕事がきつかったから」とそれぞれ。日本より給与水準が低くても、母国に帰って良かったと言う彼女たち。留学中に学んだ日本語を活かして好条件の所に就職できたそうです。何だか複雑な気分になってしまいますね。
出典:http://www.mhlw.go.jp/
5年間で受け入れた留学生は約2377人!
このうち8割が何らかの理由で帰国しているとなると、日本の介護現場で働いているのは500人弱。もちろん、実際はもっと少ないかもしれませんが、どちらにせよ真の目的である介護業界の人材不足を解消するには程遠い数字です。今後はより多くの人材を確保するために「技能研修生」枠での受け入れ開始、言葉の壁を持つ留学生への積極的な支援が計画されているようです。 これによって1人でも多くの留学生が来日し、そして介護に携わってくれる事に期待したいですね。
出典:http://www.mhlw.go.jp/
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この記事の寄稿者
ポッポ
介護のほんねニュースのライター。話題の介護関連キーワードの中から気になるトピックについて解説します。