ダイバージョナルセラピーって何?
近年、よく介護業界で耳にするようになってきた「ダイバージョナルセラピー」という言葉、あなたは聞いたことがありますか。ダイバージョナルセラピーとは、患者ひとりひとりのライフスタイルに合わせた気晴らしの方法を探っていくというセラピーの手法のこと。オーストラリアが発祥で、「気晴らし」という意味を持つダイバージョン(Diversion)という言葉が語源になっています。加齢や認知症が原因で体が動かしにくくなったり、心の活力が減ってしまっている状態から、気晴らしの力をつかって楽しく回復を図っていくというものです。
具体的に何をするの?
ダイバージョナルセラピーで行う「気晴らし」の内容に、特に決まりはありません。気晴らしになるような内容であれば、ゲームやレクリエーションなど、なんでもOK。患者にとって価値のあるレジャーを行うことが大切で、これまで送ってきたライフスタイルや生活、好みのレジャーを事前に調査するところからスタートします。
それから、どんなレジャーが気晴らしにつながるかどうかを考えて計画し、実施。事後評価を行い、改善点をまとめながら、今後どのような気晴らしを行っていくか検討していく…というのがダイバージョナルセラピーの基本のプロセスです。ダイバージョナルセラピーは高齢者福祉の分野だけではなく、チャイルドケアやリハビリテーションといったさまざまな分野で活用されています。
実践するのはダイバージョナルセラピーワーカー
ダイバージョナルセラピーを実践するのは、ダイバージョナルセラピーワーカー(DTワーカー)と呼ばれる人たち。DTワーカーとして活躍するには、NPO法人日本ダイバージョナルセラピー協会が主催する講座を受講し、認定試験に合格する必要があります。2008年に第一期の養成がスタートし、2015年1月時点で255人のDTワーカーが誕生。介護や医療、教育などさまざまな分野で活躍しています。
ダイバージョナルセラピーを取りいれる施設も
介護施設のなかには、早くもダイバージョナルセラピーの考え方を日常に取り入れている施設も出てきています。「介護のほんね」に寄せられた口コミによると、ダイバージョナルセラピーを取り入れた介護サービスの評判は上々のようです。
患者ひとりひとりのライフスタイルを知り、心や体がどんな状態にあっても、気晴らしのできる自由を守っていく。自分の望んだ手段で気晴らしができるというのは、生活を送るうえで大切な安心感につながりそうです。ダイバージョナルセラピーの考え方が、日本国内にもひろく浸透していくよう期待したいですね。
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この記事の寄稿者
シノヅカヨーコ
家事が嫌いなぐうたら主婦。25年2月生まれのムスメと夫の三人暮らしです。 子育てをしながら育児や暮らしにまつわる話題を中心にライターとして執筆活動をしています。