保育園だけじゃない、介護施設にも「落ちる」日本!?
とあるネット上の書き込みをきっかけに、国会でも話題になっている「保育園に落ちた」待機児童問題。実は、超高齢社会に突入した日本では、介護施設に入所したい高齢者もまた「落ちる」ことがあるのです。
実態はどのようになっているのでしょうか?どれくらいの高齢者が「落ちる」経験をしているのでしょうか?今回は、そんな高齢者をとりまく介護事情に迫ってみたいと思います。
特別養護老人ホームの申し込み者の実態
厚生労働省の発表によると、特別養護老人ホームに入所を申し込んでいる人は約52万人。特に東京は申込者が4万人を超えており、なかなか入所できない状況が続いています。
保育園の入所待ちをする待機児童問題と同様、かなり多くの方々が入所待ちになっていることがわかりますね。それだけでなく、保育園とは違って、介護施設の場合は3月に一斉に卒業というわけにはいきません。そのため毎年一定人数を受け入れられるというわけではなく、待機期間がどれくらいになるかもはっきりしない現状があります。
入所待ちの間、どうやって過ごしているの?
それでは入所ができるまでの待機中、介護が必要な方はどうしているのでしょうか?
とりあえず老人保健施設やグループホームといった、特別養護老人ホームと比べるとやや入りやすいほかの施設に入って待つ方、大変でも在宅介護でなんとか頑張るという方、そして、費用はかかりますが民間の有料老人ホームを利用する方も多くいます。ただ、地域によっては民間の有料老人ホーム自体の数が少ないところも。また、日常的な生活介護だけでなく医療措置も必要となる場合は、それに対応できる施設が近くで見つからないというケースもありえます。胃ろうは比較的受け入れてくれる施設が増えてきました。しかし経鼻栄養の場合は?透析は?となると民間の有料老人ホームも落ちてしまい、途方に暮れるなんてこともありえます。家族の方も必死に探し、多少遠方でも入所できれば構わないとなる場合もあります。
施設を増やす以外の選択肢を考える必要性も
介護施設にしても保育園にしても、これほどまでにニーズが高まっているにも関わらず、なかなか施設整備が追いつきません。その背景には、慢性的な人材不足や、地域社会の理解不足といったこともあるようです。もちろん賃金を上げて働き手を増やし、施設を増やすことも一つの解決策ですが、そのために必要な費用をどう工面するのかなど、乗り越えるべきハードルが多く存在します。
安心して子どもを育てることができ、安心して老後を迎えられる日本になっていくためには、社会全体が子育てや介護をサポートする仕組みをどうすれば作れるのか、一人ひとりが考えていくことが大切なのかもしれませんね。
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この記事の寄稿者
もなか
介護のほんねニュースのライター。話題の介護関連キーワードの中から気になるトピックについて解説します。