認知症サポーター養成講座
「介護のほんねニュース」、ライターのシノヅカです。
突然ですが、もしも街中で困っている認知症の方を見かけたら、どのように声をかければいいのかご存じですか。そんな接し方のヒントを教えてくれるのが「認知症サポーター養成講座」。その名の通り、認知症について正しく理解し、認知症やその家族を温かく見守る「認知症サポーター」を養成する講座です。
「わたしもぜひ受けてみたい…!」と思い立ったのが今年の2月。まさに介護のほんねニュースの記事で、講座についてピックアップしたのがきっかけでした。
認知症サポーターになりたい…でもどうやって?
認知症サポーター養成講座を受講するため、まずわたしは住まいのある自治体の高齢者福祉課に問い合わせました。ですが、学校単位や企業単位で開催される講座はあるものの、一般にひらかれた講座の開講予定はないとのこと。
認知症サポーター養成講座は、5~10名程度の集まりがあれば、キャラバンメイトと呼ばれる講師が出張し、無料で講座をひらいてくれるという仕組みになっています。とはいえ、わたしのようにひとりで受講したいとなると、どこか一般にひらかれた講座を狙うしかありません。
続いて地域包括支援センターにも問い合わせてみたところ、介護者教室の一環として、認知症サポーター養成講座を開講予定の老人ホームがあるとのこと。一般参加も可能とのことで、さっそく申し込みを行いました。
いよいよ当日!講座の流れは?
認知症サポーター養成講座開催当日、会場となった特別養護老人ホーム「信愛のぞみの郷(東京都荒川区)」は、家族の介護を行う介護者で賑わっていました。いくつかのテーブルに分かれてそれぞれが談笑する和やかなムードのなか、施設長・小森さんのあいさつで講座はスタート。
まずは15分間の映像を観ながら、認知症について学びました。映像では、都立松沢病院の齋藤院長が、認知症の方への接し方を解説。認知症を正しく理解し、認知症患者をひとくくりにせず、独立した個人として扱うことの重要性を訴えました。
接し方の具体例を表現した寸劇も…
続いて、ボランティアグループ「尾久認知症キャラバンメイト・元気かい」の方々による寸劇が行われました。テーマは「認知症の方に対する接し方の実例」です。たとえば、認知症の方から「通帳がない。盗んだのでは」と疑いをかけられた場合、どのように対応するのが望ましいでしょうか。ここで「盗むわけないでしょう」と一蹴するのは逆効果。一緒に探し、先に見つけた場合も、本人が見つけられるようにうながし、見つけられたら一緒に喜ぶ…。「気持ちに共感することがスムーズに接するコツ」と、ボランティアスタッフの方がわかりやすく演じながら教えてくれました。
今回は寸劇によって認知症患者との接し方の再現が行われましたが、講義のスタイルに決まりはないため、キャラバンメイトによって内容が異なります。
講義を終えて…
講義はおよそ1時間。オレンジリングと呼ばれる受講者の証が配られて終了です。講座で配布された資料はイラストが中心でわかりやすく、老若男女誰でも学びやすい内容で構成されていたのが印象的でした。たった1時間の講義ではありましたが、接し方のコツを具体的な例とともに学べるとてもいい機会だったように思います。
今は認知症を身近に感じられない方も、いつか家族が認知症を発症するかもしれない。そんなとき、あらかじめ認知症がどういう病気かを知り、接し方のコツを学んでおけば、少しだけ心の準備ができるかもしれませんよ。
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この記事の寄稿者
シノヅカヨーコ
家事が嫌いなぐうたら主婦。25年2月生まれのムスメと夫の三人暮らしです。 子育てをしながら育児や暮らしにまつわる話題を中心にライターとして執筆活動をしています。