一人介護は他人事じゃない
結婚をせずに、生涯独身でいることを選ぶ…。厚生労働省によると、生涯未婚でいることを選択する人の数は年々増えており、2035年には男性の29パーセントが生涯未婚になると予想されているのだそう。介護の現場でも、独身者が介護を担うという場面が増えているのが現状です。さらに兄弟がいない場合、たった一人で介護にのぞまなければならないことも。
生涯未婚率が高まり、少子化が進む今、ひとり介護のリスクを抱えている人は多く、決して他人事ではありません。
介護負担はさまざまな悲劇を生むことも
2006年、京都市伏見区で認知症の母をひとりで介護していた男性が、母の首を絞めて殺害。自らも刃物で首を切り、自殺を図ろうとするという事件が起こりました。介護と両立できる仕事はなかなか見つからず、手を差し伸べてくれる親族もない。失業保険の給付も底をつき、生活もままならないという状況で起こった悲劇。事件は当時、介護経験のない人にも「いつか来るかもしれない未来」を予感させ、大きな衝撃を与えました。
自分と家族の生活を維持するためには、仕事と介護を並行させなければいけません。介護がきっかけで離職しなければいけなくなった場合、次の仕事を探すのは難しく、働ける時間にも限りがあります。このような悲劇はあくまで一例にすぎませんが、孤独な介護から、高齢者虐待や介護うつに陥る人もいるようです。
周囲と連携して介護を分散させることが大切
介護を一人で抱え込まないようにするためには、周囲の見守りが不可欠。ご近所づきあいや親戚づきあいを疎かにせず、日頃から協力し合える関係を築いておくことが大切です。
また、身近に介護を打ち明けられる人がいない場合は、介護者同士のコミュニティに参加してみるのも手。以前、「介護のほんねニュース」でもご紹介した、地域で開かれた「認知症カフェ」やインターネットのソーシャルネットワークサービスなどに積極的に参加し、介護者同士で横のつながりを築くのもいいですね。
ひとりきりで介護を抱え込んでしまわないよう、頼れるものはすべて頼るつもりで介護負担を分散できるよう心がけたいものです。
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この記事の寄稿者
シノヅカヨーコ
家事が嫌いなぐうたら主婦。25年2月生まれのムスメと夫の三人暮らしです。 子育てをしながら育児や暮らしにまつわる話題を中心にライターとして執筆活動をしています。