人の温もりを大切にした小規模なホーム
緑豊かな住宅街にある「ヒュッテ荏田南」を訪問し、支配人の古神さんに館内を案内していただきました。「ヒュッテ」とは、ドイツ語で「山小屋」のこと。木を基調にした4階建ての住まいは、定員28名の小規模なホームです。
各階にはフロアダイニングがあり、どの階も入居者様が集まっています。テレビを見たり、新聞を読んだり、スタッフとお話ししたり。寝たきりの方は車いすをリクライニングにして、穏やかな時間を過ごされていました。部屋にこもって過ごす方は少ないそうです。
古神さんは「一人じゃない安心を感じていただきたい」と言います。入居者様2名に対して1名と、多くのスタッフを配置しているため人の温もりを感じられます。また、家族型ロボットの「くーちゃん」もホームの人気者。みんなの輪の中に来て入居者様と触れ合う、微笑ましい光景が見られました。
おすすめポイント “オープンキッチンが食欲をそそる”
ホームを訪れた時間は、ちょうど昼食の準備中。ダイニングがある1階には照り焼きのおいしい香りが充満していました。調理している音も心地よく、みなさま昼食が待ち遠しいご様子です。
厨房は介護施設では珍しいオープンキッチンで、調理している工程を見られます。シェフも「入居者様が召し上がっている姿が励みになる」とのこと。委託業者ではなく直営キッチンだからこそ、手作りにこだわっています。たとえばハンバーグも冷凍食品ではなく手でこねているそうです。介護食にも力を入れているため、嚥下機能が低下している方も安心してお食事を堪能できます。
気になるポイント
各居室は9.9㎡で、人によっては狭い印象を持たれるかもしれません。居室内にトイレと洗面台がない分、生活スペースは十分に確保されています。「居室にトイレがないことはデメリットと思われるかもしれませんが、自宅のお部屋にもトイレはありませんよね。そういう意味でも自宅の環境と似ていて、共有スペースを含めて、みなさま自分のおうちだと思って過ごされています」と古神さん。コンパクトな居室がヒュッテ荏田南の心地よさを作り出しているのだと感じました。
お食事レポート
入居者様と同じメニューのお食事をいただきました。
・銀ヒラスの照り焼き
・里芋の土佐煮
・ささみの梅あえ
・味噌汁
飾り付けも器も美しく、味もしっかりしており大満足でした。銀ヒラスは骨が一本もなく、高齢の方の食べやすさを考えられています。なかでもこだわりを感じたのは、ささみの梅あえに入っているキュウリです。多様な切り方がされており、一品でいろんな食感を楽しめました。見学時の試食も可能とのことですので、気になる方はぜひ昼食のタイミングに合わせてみてください。