生活相談員とは|介護施設での仕事や入居者との関係など
生活相談員とはどのような仕事をしている人なのか、介護施設での仕事内容や、入居者とどのように関わり合っているのかを解説します。どんな時に利用者とその家族が生活相談員を頼るのか、施設見学時に聞いたほうがいいことも詳しくまとめています。
身体障害者、高齢者施設に勤務。古武術の身体運用を参考にした「古武術介護」が反響を呼ぶ。近年は介護、医療、リハビリ、消防・救命・育児支援・教育・スポーツなど、幅広い分野で身体を通した発想と実践を展開させ、多岐にわたる活動を国内外で行う。『あらゆる状況に対応できる シンプル身体介助術』(医学書院)など著書、DVD、通信講座など多数。
生活相談員とは
特別養護老人ホームやデイサービス・ショートステイなどの介護事業所にて、利用者やその家族からの相談にのったり、調整のための手続きをしたりするのが生活相談員です。別名・ソーシャルワーカーとも呼ばれています。
介護施設での生活相談員の仕事
介護施設での生活相談員の仕事は多岐にわたります。特別養護老人ホーム・デイサービス・ショートステイなどさまざまな介護施設で働いており、入居者とそのご家族のサポートするのが主な業務内容です。具体的な以下の仕事が生活相談員の業務になります。
生活相談員の仕事
- 利用者またはその家族と相談業務
- 施設の入退手続き業務
- 地域やケアマネジャーなどとの調整業務、連絡
- 施設内の調整・連絡業務
- ケアプランの作成・援助業務
なかでも入居者に関わる部分でいうと、施設内の連絡業務、入居者本人や家族のサポートなどでしょう。入居者の生活の様子を観察し、報告書にまとめることで「入居者が充実した暮らしを送っているか」を把握し、家族に共有します。
何に困ったら生活相談員を頼るべき?
生活相談員は、利用者・家族・施設をつなぐパイプ的な役割を持っています。そのため、困りごとや疑問が発生した際は、生活相談員を頼りましょう。
どのような困りごとの際に、生活相談員に相談をすれば良いのでしょうか。困りごとのシーン別に紹介しましょう。
食事のメニューで困った場合
利用者に「アレルギーがある」「好き嫌いがある」「食事を飲みこめなくなった」などの問題がある場合にも、生活相談員に相談をしましょう。施設にもよりますが、代替食で対応してくれたり、ソフト食へ変えてくれたりすることがあります。食事のメニューで困った際には、早めに生活相談員に問題点を伝えましょう。
入浴トラブルが発生した場合
介護施設では、最低でも週に2回入浴することが定められています。しかし、介護付き有料老人ホームでは、週3回以上を入浴回数にしている施設も珍しくありません。
また、自由に入浴できる施設もあれば、スタッフが体調を見てからの入浴となる施設もあるため、入浴のタイミングは施設で異なります。「特例的に入浴できないか」を相談することも可能です。
しかし、入居者が恥ずかしさから入浴を嫌がるケースも多いです。その際に、なぜ入浴を嫌がるのか、入浴を促すことはできないかなどを、家族は生活相談員に相談をするといいでしょう。
人間関係によるトラブルが発生した場合
介護施設では、何かとトラブルがつきものです。他の入居者と揉めてしまったり、トラブルに巻き込まれたりする可能性は否めません。トラブルや異変に家族が気づいた場合には、すぐに生活相談員に伝えましょう。
生活相談員も様子を見ながらアクションを起こしてくれます。早めに生活相談員に相談することで利用者本人が傷ついたり、必要以上にトラブルに巻き込まれたりすることを防げるのです。
契約違反によるトラブルが発生した場合
介護施設では、契約違反によるトラブルが起こりえます。入浴回数が規定よりも少なかったり、食事の内容が異なっていたりする施設もあるのが現状です。「契約違反なのではないか」と疑問に思うことがあれば、疑問に思った時点で生活相談員に相談してみてください。
過度な介護サービスを受けている場合
介護施設に入居したからといって、すべての介護を施設に委ねてしまっては、利用者本人ができていた運動ができなくなったり、自尊心が失われたりする可能性があります。例えば「歩行器を使えば歩けるのに、車椅子を使うよう指示があった」などによって、歩行機能がだんだんと失われていく可能性もあります。
ただし施設側にも考えがあるかもしれません。施設側に対処をした理由を質問したうえで、もし必要以上のサービスを受けていると感じたら、生活相談員に相談をしましょう。
月額費用と請求金額が異なる場合
パンフレットに記載されている月額料金と、請求金額が異なる場合には、すぐに生活相談員に相談をしてください。受けている介護サービス・消耗品などが月額料金に加算されている可能性があります。
入院が必要になった場合
利用者の入院が必要になったり、入院が長引いたりする場合には、生活相談員に相談をしましょう。入院=退去という訳ではありませんが、入院期間や病状次第では施設側から退去勧告されることもあります。生活相談員に現在の状況を正確に伝えつつ、利用者本人と家族の希望を伝えてみてください。
退去を考えた場合
施設が合わない・費用の関係で他の施設に移りたいなど退去を考えた時にも、生活相談員の出番です。現在のプラン・スタッフの見直しをしてくれる可能性があります。退去を決める前に相談してみてください。
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この記事のまとめ
- 生活相談員は介護事業所で利用者の状態を観察し、様子を家族などに共有する仕事
- 生活相談員は利用者・家族・施設をつなぐためのパイプ的な役割
- 生活相談員に施設の相談をした際には対応の仕方にも注目する
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