老人ホームの重要事項説明書とは|10種類の項目からチェックすべきポイントを紹介

老人ホームの重要事項説明書とは|10種類の項目からチェックすべきポイントを紹介
平栗 潤一

この記事の監修

平栗 潤一

一般社団法人 日本介護協会 理事長

大手介護専門学校にて12年で約2,000名の人材育成に関わり、その後、人材定着に悩む介護事業所の人材育成や運営支援を実施。2020年4月からは一般社団法人日本介護協会の理事長に就任し、介護業界の発展を目指して介護甲子園を主催している。

老人ホームの入居において「契約」は非常に重要です。老人ホームは費用、人員体制、さまざまな条件がありますが、しっかりとすべてに目を通しておく必要があります。こうした介護施設・老人ホームの概要がすべて網羅されているのが「重要事項説明書」です。

この記事では、重要事項説明書について、記載されている項目を細かく説明し、特にチェックすべきポイントを解説します。

重要事項説明書とは

重要事項説明書は、介護業界に関わらず必要なものです。売買契約や保険契約を交わす際の契約内容のうち、特に重視すべき事項をまとめた書類になります。事業の代表者や所在地、法人など、重要事項説明書を見るだけで、施設について知っておくべき情報を把握できます。

記載されている内容は提供されるサービスや費用、決まりごとが多いです。施設は多くの人との団体生活です。ルールを守って生活してもらい、入居者本人と家族がしっかりと契約内容を理解するためにも重要事項説明書を作成しています。

重要事項説明書の10項目

介護業界の重要事項説明書は、厚生労働省の指定の様式に従って作られています。そのため、どの施設においても同じひな形の書式です。

重要事項説明書は全部で10項目です。各項目に記載されていること、チェックすべきポイントをご紹介します。

1. 事業主体概要

「事業主体概要」には施設を運営する法人の概要が書かれています。所在地や種類、連絡先、会社設立の年月日、さらに実施している事業も記載されています。

チェックしておくポイントは書類の記入年月日です。作成された日付が過度に古くないかを確認しておきましょう。もし2年以上前であれば、「最新の情報であるかどうか」を施設側に質問をすることをおすすめします。

2. 有料老人ホーム事業の概要

有料老人ホーム事業の概要には住まいの概要と類型が記載されています。

まず住まいの概要には施設名称や所在地、管理者情報、連絡先、事業開始年月日が書かれています。なかでも注目したいポイントは「連絡先」です。施設への質問や相談は記載されている連絡先に問い合わせてみましょう。

類型にはその施設が「どのような介護施設として運営しているのか」があります。「施設で介護サービスを提供しているのか」「外部の介護サービスを利用するのか」「介護付きなのか住宅型なのか」に注目です。

なお、特定施設入居者生活介護の場合には、介護保険事業者として事業者番号や指定した自治体名も書かれています。

3. 建物概要(ホームの土地・建物についての情報)

続いては建物概要です。入居する施設の土地や建物の面積、所有関係、居室区分、居室数、居室面積、共用設備、消防用設備などが記載されています。「建物概要」は特にチェックしておきましょう。

建物概要では居室の基本的な仕様が把握できるのが特徴です。個室の設備、面積がわかります。個室種別として一般居室や介護居室が区分けされ、自立の方も入居可能な施設でも、区分は「介護居室」と記載されていることもあります。

そして、共用設備に何があるか見てみましょう。「入浴設備に機械浴があるか」「施設内に厨房があるか」「機能訓練室があるか」など、細かく確認できます。

4. サービスの内容(運営基本事項についての情報)

「サービスの内容」では運営方針やサービスの特色、介護サービス、医療連携、協力医療機関、住み替えの手続き、入居に関する要件、契約解除の条件、体験入居の内容などが書かれています。

この項目で特に注意すべき点となるのが、「運営に関する方針」です。この欄に目を通すことで、施設が何に力を入れているのか確認できます。

また「各サービスは施設が提供するか、外部業者に委託するか」を確認できる項目もあり、見るべきポイントです。

例えば、施設内で調理をしている場合はできたてに近い食事が提供されますが、委託している場合は温め直したものが多いです。生活に深く関わるので、入居前によく確かめておきましょう。

5. 職員体制(職員体制についての情報)

職員体制では、主に施設で従事する職員の情報が書かれています。常勤・非常勤別の職員数、介護職員の資格取得状況、夜間時・平均時の職員数、管理者の状況、介護職員等の業務経験年数などが記載されています。職員は入居後に密接に関わる人です。事前に目を通しておくべきです。

また入居者(要支援2以上)に対して介護職員・看護師を何人配置しているかも記されています。人員配置といい、施設形態によっては国によって基準が定められています。

介護付き有料老人ホームの場合は、入居者3人に対して1人以上の介護職員・看護師を配置が必須です。これを介護業界では人員配置「3:1」といいます。基準以上に人員配置している施設もありますので、確認してみましょう。

加えて、職員の経験年数にも注目してみてください。10年以上勤務している職員が多い場合は、安定して働ける環境がある証拠です。ベテランの職員が多く、家族としても安心できます。

6. 利用料金(必要な費用の情報)

利用料金の項目では、支払い方式、利用料金のプラン、各費用の算定根拠、前払金の償却開始日、解約時の返還金、前払金の保全先などがわかります。食費や管理費といった月額費用がどのように導き出されたか記載されているので、納得し入居するためにも必ず目を通しておきましょう。

また入院や自宅に戻るといった長期不在時の費用は揉め事が起こりがちなポイントです。あらかじめ、いくら掛かるのかを把握したうえで契約を進めてください。

さらに居住の権利形態も要チェックです。「利用権方式」「建物賃貸借方式」「終身建物賃貸借方式」のいずれに該当するのか、きちんと確認しておきます。費用面は特に施設側とのトラブルに発展しやすいので、わからないことは施設に確認して説明を受けましょう。

7. 入居者の状況(入居者についての情報)

入居者の状況とは、重要事項説明書が作成された時点における施設内の入居者の情報を表しています。主な項目は、年齢・要介護度別の人数、入居率、そして前年度退居者数です。

前年度における退去者の状況も分かりますが、退去者が多いからといって施設に落ち度があるわけではありません。転居や医療機関への長期入院による契約解除、死亡も含まれますので、平均年齢・平均介護度が高い施設は、前年度退去者数が多いでしょう。

なお「生前解約の状況」欄では死亡以外の退去となった実例が書かれています。安易に施設を退去しないためにも、この欄を飛ばすことなくチェックしておきましょう。

8. 苦情・事故等に関する体制(苦情対応窓口等についての情報)

苦情・事故等に関する体制では、苦情対応窓口、損害賠償責任保険の加入状況、利用者の意見を把握する体制などを確認できます。

もし施設に対して苦情がある場合には、この項目に書かれている連絡先に問い合わせてください。ただし苦情や事故に対応する窓口は施設によって千差万別です。施設の相談窓口、自治体の高齢者相談センターなど複数の機関が記載されているところもあれば、記載が一切ない施設も見受けられます。

記載がない場合は、対面で質問をしましょう。入居後に頼れる機関がないのは不安になると思いますので、入居前に明らかにしておくことをおすすめします。

9. 入居希望者への事前の情報開示(情報開示状況についての情報)

入居希望者への事前の情報開示は「どのようにホームの契約書や経営状況などを入居希望者に公開するか」を示しています。入居契約書の雛形、管理規程、事業収支計画書、財務諸表の開示状況があり、施設がどれほどの情報を公開しクリーンな施設であるかを判断できるポイントです。

ただし公開情報だけでなく、見学や体験入居にも積極的に参加しましょう。表面上の情報だけでなく、実際に入居希望者が臨む施設を選ぶことで、イメージの相違を極力減らせます。

10. その他(運営懇談会等についての情報)

その他には、運営懇談会の有無や提携ホームへの移行などが書かれています。老人福祉法や安全確保に関する法律などが絡んでくるため、少々難しいかもしれません。わからない部分は対面で施設の担当者に質問をしましょう。契約の前に不安をすべて解消することが、後悔しないために重要です。

重要事項説明書に目を通して入居前に概要を押さえておく

老人ホーム・介護施設への入居は高額になるケースも多いので、慎重に決めたいものです。要事項説明書は、施設サービスや職員体制といった施設の概要が網羅的に記載されています。契約前に施設の概要を知っておくために重要な書類です。

ただし書類の内容によっては難しい項目もあります。理解できない内容は施設の職員に直接尋ねることをおすすめします。

この記事のまとめ

  • 重要事項説明書は老人ホームの契約の基本が書かれた書類
  • 重要事項説明書は10項目あり、それぞれにチェックポイントがある
  • ただし文面だけでなく「体験」も重視すべき

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