【2021年版】居宅療養管理指導とは、点数や医科・歯科・薬剤の概要など

寝たきりの人や体が不自由な人だと病院に行くことも難しく、介護をしている家族にとっても大きな問題の1つです。しかし、そんな家族や要介護者をサポートするために「居宅療養管理指導」という介護保険サービスがあります。

今回は、居宅療養管理指導がどういったものか、どういったサービスがあるのかといった概要から、実際に受けるための流れについてご紹介していきます。在宅介護中、もしくはこれから在宅介護を検討されており、要介護者の通院が困難な状況にある場合はぜひ今回の記事をご参考ください。

【2021年版】居宅療養管理指導とは、点数や医科・歯科・薬剤の概要など
平栗 潤一

この記事の監修

平栗 潤一

一般社団法人 日本介護協会 理事長

大手介護専門学校にて12年で約2,000名の人材育成に関わり、その後、人材定着に悩む介護事業所の人材育成や運営支援を実施。2020年4月からは一般社団法人日本介護協会の理事長に就任し、介護業界の発展を目指して介護甲子園を主催している。

居宅療養管理指導とは専門家が自宅を訪問して療養管理指導をするサービス

居宅療養管理指導とは、寝たきりの状態で家から離れられない、病院へ行けても認知症の影響から待っていられないなど、さまざまな事情から通院できない人に対して、専門職が訪問して療養管理や介護における指導をする介護保険サービスです。専門職とは医師や歯科医師、薬剤師、管理栄養士などの医療専門職が中心となります。

対象となるのは65歳以上で要介護1~5に認定された人です。しかし、40~64歳でも介護保険に加入しており、16種の特定疾病により要介護と認定された人はサービスを受けられるようになっています。

また、要支援1・2に認定された人も居宅療養管理指導は受けられませんが、代わりに介護予防居宅療養管理指導は受けられます。名前は異なっているもののサービス内容はほとんど変わりありません。

居宅療養管理指導のサービスは4つに分類される

居宅療養管理指導において、主なサービスは専門職から適切な指導を受けられるもので、その内容は職種によっても異なります。医師・歯科医師、薬剤師、管理栄養士、歯科衛生士の4つに分類されるため、それぞれのサービス内容を詳しく解説していきましょう。

医師・歯科医師の管理指導

医師や歯科医師が自宅へ訪問し、健康状態のチェック及び指導をしていきます。この時、本人や家族へ日常生活の中でできるサポートや介護サービスへの指導・アドバイスをしたり、担当のケアマネジャーにはケアプランを作成する際に記載する情報を提供したりするなど、幅広い管理指導を実施します。なお、サービスを提供できる回数は1カ月に2回以内です。

主なサービス

居宅療養管理指導では医師や歯科医師は、まず在宅でも継続的に健康管理ができるようアドバイスを送ります。処方薬の正しい服用方法から副作用に関する指導、居宅療養中に使用する医療器具の管理・指導などもしています。家族は医師や歯科医師に直接アドバイスをもらえるため、安心できる部分も多いでしょう。

薬剤師の管理指導

薬剤師の管理指導は、その薬剤師が勤務する場所によって訪問回数が異なります。病院や診療所に勤務する薬剤師だと1カ月に2回以内となりますが、薬局に勤務する薬剤師は1カ月に4回まで利用することが可能です。また、薬局に勤務する薬剤師でがんの末期と診断されている人や中心静脈栄養を受けている人は1カ月に8回まで利用できます。

主なサービス

薬剤師が居宅療養管理指導で提供できるサービスは、主に処方されている薬に関する指導・アドバイスです。内容は、薬の飲み方からどんな副作用を持っているかの説明、さらに飲み忘れないようにするための服薬管理に関するアドバイスもしています。

近年は処方しても薬が残ってしまう「残薬」が問題視されているため、きちんと処方されたとおりに内服ができているか確認するのも薬剤師の役割にあたります。もし処方された薬が飲みにくいのであれば、早めに薬剤師へ相談してみましょう。薬剤師からかかりつけ医に、服用しやすい薬へ変更可能かどうかを相談してくれます。

管理栄養士の管理指導

管理栄養士は主に食事・栄養面に関するプロです。介護者の悩みの1つに食事をどうすればいいか悩んでいる人も多くいます。そのため、居宅療養管理指導で管理栄養士に訪問してもらい、食事に関する適切なアドバイスをもらいましょう。

なお、管理栄養士の管理指導は1カ月に2回まで利用できます。

主なサービス

管理栄養士が提供できるサービスは、主に健康的な療養生活を過ごせるように「栄養ケア計画書」を作成し、食事に関する指導・アドバイスを提供することです。栄養ケア計画書は基本的に医師の指示に従いつつ、適切な栄養ケア方法を記載し、課題をクリアしていきます。特に糖尿病や高血圧などの慢性疾患を抱える人や家族への栄養指導はとても重要です。

「きちんと食事をしているはずなのに低栄養と診断されてしまった」「治療食が必要と言われたが、どんなメニューを作ればいいのか分からない」「うまく食事ができない」といった悩みも、管理栄養士から指導してもらえるので安心です。

歯科衛生士の管理指導

歯科衛生士は1カ月に4回以内で訪問できます。歯科医師とほとんど同じ内容ではあるものの、1カ月に利用できる回数が多く相談できる機会も増えます。歯科衛生士の管理指導は、口から食べられるようにサポートしていくことが目的です。

主なサービス

歯科衛生士が提供できる主なサービスは、歯・口腔ケアや嚥下機能などに対する管理指導です。歯や口腔を専門としている歯科衛生士から、正しい歯磨きの方法から義歯のお手入れ・管理方法まで、さまざまなアドバイスをもらえます。特に嚥下機能の維持や回復に向けたアドバイスは、栄養面にも大きな影響をもたらしてくれるでしょう。

居宅療養管理指導のメリット・デメリット

居宅療養管理指導は良い面がある一方で、あまり良くない部分もあります。具体的にどのようなメリット・デメリットがあるのか解説していきます。

3つのメリット

居宅療養管理指導のメリットは主に3つ挙げられます。では具体的な利点を順にご紹介しましょう。

通院する手間が省ける

1つは通院する手間が省けるという点です。

居宅療養管理指導を受ける人の多くは通院が難しい状態です。家族のサポートがあれば通院できるという人もいますが、仕事などの影響で常にサポートが受けられるわけではありません。また、介護タクシーなどを利用しても金銭的な負担が増えてしまいます。

居宅療養管理指導なら医師や薬剤師などが自宅まで訪問してくれるので、通院する手間が省けて要介護者にかかる身体的・精神的な負担も軽減されるでしょう。また、金銭面に関しても居宅療養管理指導を利用したほうが通院するよりも安く抑えられる場合もあります。

家族の負担が減る

家族の負担が減ることもメリットの1つです。要介護者が通院するためには家族のサポートが欠かせません。車に乗せる時は介助する必要がありますし、歩くのにも時間がかかってしまいます。通院する際の移動がなくなれば、家族の負担も大きく軽減されるでしょう。

また、居宅療養管理指導では本人だけでなく、家族に向けた管理指導も実施しています。分からないこと・不安なこと・悩みなどがあっても、医療の専門職が相談に乗ってくれるので精神的な負担の軽減にもつながります。

多くの専門職の人がサービスを提供してくれる

最後にたくさんの専門職の人たちが連携したサービスを受けられるという点が挙げられます。在宅介護では自宅で直接的にサービスを提供してくれるのはケアマネジャーや介護ヘルパーになります。しかし、居宅療養管理指導ならそれ以外の専門職の人も実際に訪問し、さまざまなサービスを提供してくれます。

医師や歯科医師、薬剤師、管理栄養士、歯科衛生士などが全員で連携し、在宅介護をサポートしてくれるのは、居宅療養管理指導ならではとも言えます。

デメリット

居宅療養管理指導を受けるのに大きなデメリットはないものの、「利用したい」と思っても自由にサービスが受けられない点はデメリットにもなり得ます。居宅療養管理指導を受けるには医師もしくは歯科医師から指示を受け、初めて利用できるものです。サポートを利用したくても医師・歯科医師が特に必要ないと判断してしまえば利用できないので注意しましょう。

居宅療養管理指導の点数(費用)

居宅療養管理指導は介護保険サービスに該当するため、介護報酬単価から1~3割の自己負担となります。訪問1回あたり約300~550円で、職種や居住者数で自己負担額は変わるので注意しましょう。ただし、介護認定を受けている生活保護受給者はお金を負担せずに居宅療養管理指導を受けられます。

下記の表では1単位10円で計算し、自己負担額を算出しています。主な目安として参考にしてみてください。

職種 居住者数 自己負担額(1割)
医師・歯科医師 同一建物居住者が1人 514円
同一建物居住者が2~9人 486円
同一建物居住者が10人以上 445円
薬剤師
(病院・診療所などに所属)
同一建物居住者が1人 565円
同一建物居住者が2~9人 416円
同一建物居住者が10人以上 379円
薬剤師(薬局に所属) 同一建物居住者が1人 517円
同一建物居住者が2~9人 378円
同一建物居住者が10人以上 341円
管理栄養士 同一建物居住者が1人 544円
同一建物居住者が2~9人 486円
同一建物居住者が2~9人 443円
歯科衛生士 同一建物居住者が1人 361円
同一建物居住者が2~9人 325円
同一建物居住者が2~9人 294円
※「自己負担額1割」「1単位=10円」で計算
参考:厚生労働省「介護報酬の算定構造(R3.1.18)

なお、基本的なサービス料の他に訪問診療・往診費や投薬費などは医療保険から請求されます。さらに訪問する際の交通費も実費で請求されるので、場所によっては思った以上に高額な費用が掛かってしまう場合もあります。

居宅療養管理指導を受けるまでの流れ

居宅療養管理指導は要介護者本人や家族が受けたい時に受けられるものではありません。では、どうすれば利用できるようになるのか、サービス開始までの流れをご紹介していきます。

まずはケアマネジャーに相談する

まずは担当のケアマネジャーへ利用者の状態だと通院が難しいこと、家族でできるサポートが限られていることを伝え、居宅療養管理指導を受けたい旨を伝えます。かかりつけ医に直接伝えることも可能ですが、結果的にケアプランを見直す必要もあるためまずはケアマネジャーに相談してみましょう。

ケアプランを見直し、医師や事業者に連絡

相談を受けたケアマネジャーは本当に居宅療養管理指導が必要かどうか、要介護者の状態を確認します。もし居宅療養管理指導を利用したほうが良いと判断されれば、訪問医や居宅療養管理指導サービスを提供する事業者に連絡し、利用頻度やサポート内容を決めていきます。

事業者の了承と契約開始日の決定

訪問医や事業者側が対応可能であれば、契約となります。なお、事業者はケアマネジャーが探してくれますが、最終的に契約するのは利用者と家族なので、契約前には必ず本当に契約しても良いかどうかをチェックするようにしましょう。

事業者を選ぶポイントとしては、まずサービス内容や料金が適切かどうか、トラブルが発生した場合の対応やサービスをキャンセルする際の対応と料金はどうなるかを確認してみてください。この時、個人情報の取り扱いがどうなっているかもチェックしておくと良いです。

また、事業者と実際に会ったら家族だけでなく、利用者への態度・言葉遣いも確認しておきましょう。他にも近所にサービスを利用している人がいれば評判を聞いたり、ネットの口コミも参考にしたりすると良いでしょう。

事業者側に問題がなければ、いよいよ契約です。契約が決まったらいつからサービスを開始するかも決めていきます。

居宅療養管理指導サービスの開始

契約開始日から居宅療養管理サービスの提供が始まります。主治医から指示があればその内容に従ってサービスが提供されます。

居宅療養管理指導は医療的な措置はできないので要注意

居宅療養管理指導は介護保険に該当するサービスです。在宅介護における利用者や家族に対してさまざまな管理・指導を提供してくれます。費用はかかってしまうものの、訪問1回あたりの目安は約300~550円(1割負担の場合)になるので、それほど大きな負担もかからずに利用できるでしょう。

ただし、勘違いしやすいポイントとして居宅療養管理指導では医療的な措置を受けられないことを理解しておきましょう。居宅療養管理指導はあくまでも介護保険に準ずるサービスです。投薬や注射、検査、処置などの医療行為は医療保険から給付されることになります。

居宅療養管理指導は指導・アドバイスの提供やケアマネジャーへケアプラン作成に必要な情報提供が主軸のサービスであり、在宅で医療的な措置が受けられるわけではないので注意しましょう。医療的な措置を受けたい場合は訪問看護などの医療保険サービスを活用してみてください。

この記事のまとめ

  • 居宅療養管理指導は医師や薬剤師などの専門職の人が訪問し、指導・アドバイスをしてくれるサービス
  • 1割自己負担の人だと1回あたり約300~550円で利用可能
  • 通院による身体的・精神的・金銭的負担を軽減してくれる

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